柳原三佳のブログ

交通事故・死因究明問題などを追及する柳原三佳からの情報発信。あるときはジャーナリスト、あるときはノンフィクション作家、でも、1日の大半はお料理と芝刈りが大好きな「主婦」してま~す!

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運転未熟な若者の事故

 12月26日、東京で悲惨な事故が発生しました。
 20歳の男性が運転する車が歩道に突っ込み、小学生の男の子が命を奪われたのです。
 加害者の車には、19~20歳の同乗者が3名乗っていたそうです。
 なぜこんな事故が起こるのか? 運転未熟な初心者が、いったいどんな運転をしていたのか?
 
 私はこのニュースを見ながら、父方のおじいちゃんが、運転免許を取ったばかりの孫たちに口を酸っぱくして言っていた言葉を思い出しました。

「初心者のうちは、絶対に若者同士で車に乗らないように。3~4人が同乗すると、ついつい気が大きくなり、上手く見せようとして無理な運転をしてしまうから、それだけは守るように」

 何度もそう言われました。

 このおじいちゃんは、70歳を超えてからも車の運転が得意で、ある新聞で「三度の飯より車が好き」というタイトルで紹介されたこともある人でした。
 そんなおじいちゃんは、孫たちが免許を取ると、必ず助手席に乗り、運転をチェックしてくれました。
 初心者のうちはゆっくりと走っていて、後ろのトラックにあおられたりすることもありましたが、
「気にせんでいい、事故を起こさんようにゆっくり走れ」
 そう言ってくれました。

「初心者のうちは、若者同士で同乗するな」という言いつけは、私なりに守ったつもりですが、若者の起こした一方的な交通事故の報道を目にするたびに、あの時のおじいちゃんの警告はとても重要なものだったと思えるのです。

 私が今年出版した『巻子の言霊』という本で取り上げた交通事故の加害者も、免許を取ってまもない19歳の男性でした。
 被害者の夫である松尾幸郎さんは、これからハンドルを握る若者に、車を運転するということの重みを伝えていきたいとおっしゃっています。

 26日の夜に起こった、歩道を歩いていた被害者にとっては、まさに不可抗力の事故。
 被害者とその家族の人生を狂わせた20歳の男性。
 このニュースを見ながら、私は本当に心が痛みました。

 偶然ですが、12月26日は、医療過誤で亡くなった私の父の命日でもあります。
 被害者の水島光偉君の命日は、父の命日と同じ……。
 心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

 
■交通事故 歩道に車、1人死亡1人重体 東京・田園調布
毎日新聞 12月26日(日)23時48分配信

 26日午後9時45分ごろ、東京都大田区田園調布本町の都道(中原街道)交差点付近で、乗用車が歩道に乗り上げ歩行者4人をはねる事故があり、このうち栃木県下野市川中子、会社員、水島亮さん(36)の長男で小学3年、光偉(みつより)君(9)が頭を強く打ち、搬送先の病院で死亡した。いとこで幼稚園の男児(6)=埼玉県在住=も意識不明の重体。一緒にいた祖父母の男性(68)と女性(67)も全身を強く打ち重傷を負った。

【写真特集】乗用車は大破、現場には多くの遺留品が…

 男児2人は祖父母の長男と次男の子供たちで、冬休みを利用し、孫だけで現場近くの祖父母宅に遊びに来ていたという。

 車の後部座席に同乗していた少年(19)と男性(20)も弾みで車外に飛び出すなどして頭などに軽傷を負った。

 警視庁田園調布署は乗用車を運転していた大田区東雪谷3、会社員、宮田智裕容疑者(20)を自動車運転過失傷害容疑で現行犯逮捕した。現場には急ブレーキをかけたとみられる痕があり、田園調布署は宮田容疑者がスピードを出し過ぎ、車線変更などでハンドル操作を誤った可能性があるとみている。飲酒は検知されなかった。宮田容疑者は「事故を起こしたのは間違いない」と供述しており、容疑を同致死傷に切り替え、詳しい事故原因を調べる。

 東京消防庁などは当初、亡くなったのは一緒にいた6歳男児としていたが、田園調布署が確認したところ光偉君だったと判明した。また、6歳男児の年齢が一時5歳と訂正されるなど情報が混乱した。

 田園調布署と東京消防庁によると、乗用車には宮田容疑者のほか19~20歳の男性3人が乗っていた。車は宮田容疑者の家族の所有だった。中原街道を川崎方面に向かって直進中に歩道に乗り上げたとみられ、重傷の女性は約10メートルもはね飛ばされたという。現場の制限速度は50キロだった。

 現場は東急東横線多摩川駅の南東600メートルほどの住宅街を通る直線道路。歩行者をはねた車は、歩道に乗り上げた後、マンションの生け垣に衝突。ボンネットが押しつぶされて後部も大破し、周囲には割れた窓ガラスが散乱していた。

 近くに住む主婦(58)は「大きな音を聞いて出てみると、小さな男の子が車の脇で、おでこから血を流し、別の子が心臓マッサージを受けていた」と話していた。【前谷宏、小泉大士、市川明代】

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  1. 2010/12/29(水) 13:40:05|
  2. ミカの日記

メリークリスマス!

 夜、玄関のベルがピンポ~ンと鳴ったので、「ハ~イ」と言いながら表へ出てみると……。
 お隣の奥様が、サンタさんに変身した愛犬のパルちゃん(パピヨン)を抱っこして、『メリークリスマス!!』

P1080819.jpg

 きゃ~~、なんてかわいいんでしょう~~。

 そこで早速、パルちゃんの衣装を借り、我が家の愛犬・ジェーンちゃんもお帽子をかぶって、『メリークリスマス!!』

P1080826.jpg

 
  1. 2010/12/24(金) 20:56:38|
  2. ミカの日記

冬至といえば、「柚子のお風呂」

 18日に行われた京都弁護士会でのシンポジウムには、100名近い参加者が来てくださいました。
 当日の模様については、NPO交通事故サポートプログラムのブログでも紹介してくださっています。ありがとうございます!
■ジコサポブログ

 今回のシンポジウムでは、これまでメールのやり取りをさせていただいていていたけれど、まだお会いしたことのない方と初めて対面することもできました。
 特に私が嬉しかったのは、私の書いた本「交通事故鑑定人~鑑定歴50年、駒沢幹也の事件ファイル」(角川書店)を読んで感動し、自分もなんとか苦しんでいる被害者の方々の力になるような仕事をしたい! と強い思いを抱いて、弁護士事務所に転職された女性との出会いでした。
 私の書いた本、いや、私に苦しい体験を語ってくださった大勢の被害者やご遺族の思いが、こうして1冊の本を通して、一人の人生に大きな影響を与えていくことがあるのだということに、胸がじ~んと熱くなりました。
 そのほかにも、このブログを見て神戸から参加してくださった被害者のお母様など、みなさんとお会いできて本当に嬉しかったです!

 京都から戻ってからは、原稿のまとめなどで忙しくしていましたが、昨日は冬至だったので、庭にいっぱいなっている柚子をお風呂に浮かべて、香り豊かな柚子のお風呂を楽しみました。

 これが、我が家の柚子で~す!
 後ろで紅葉しているのは、ブルーベリーの葉っぱです。赤い色がとってもきれいでしょう。
 その後ろには、我が家のシンボルツリー・フェニックスが、真冬でも緑の大きな葉っぱを、まさにフェニックス(不死鳥)のごとく優雅に広げています。
 
 今日は原稿を片づけた後、お庭の畑に玉ねぎの苗を植え付けて、夜はご近所のおじさまたちと忘年会の予定です! 飲みすぎに気をつけよ~っと。

 P1080788.jpg
  1. 2010/12/23(木) 11:52:13|
  2. ミカの日記

今日は大好きな京都!

 今日は京都弁護士会のシンポジウムで京都に来ています。
 京都は私が学生時代をすごした思い出がいっぱいの大好きな場所。
 今回は時間がなくて残念ですが、もう少しゆとりがあれば、定番の二年坂~三年坂~八坂神社までのお散歩を楽しみたいところです。
 
 午後からのシンポジウムでは、いろいろな問題提起がなされる予定です。
 一昨日から話題になっている滋賀の事件についても、皆さんの意見を聞いてみたいと思っています。

 さて、私の元には、この事件に対してさまざまな声が届いております。
 以下は、実際にご家族が遷延性意識障害になられたという方からのご意見です。
 読んでみてください。

************************************


滋賀県の「轢き逃げ言い逃れ事件」は、是非とも弱者の視点で納得できる結果になって欲しいものです。
被害者は亡くなったり重傷を負ったりでも加害者は健常者であり続ける訳で、この差は残酷なほど開きがありますよね。

この国では、健常者であることに限りなく高い価値が認められ保護されますが、他人によって「健常者であること」を破壊されると、被害者は「もう手を掛けても戻らない」と見棄てられ、加害者は自らの健康を損なう事はありません。

その上、口から出任せのいい加減な主張がまかり通って社会的ペナルティーすら与えられないなら、国は国民を「護る」なんてとても言えないと思いますよね。

刑事裁判は「国民が傷つけられたら、被害者の代わりに国が加害者を訴える」形ですから、こんな判例は国の怠慢にしか思えません。
  1. 2010/12/18(土) 09:41:36|
  2. ミカの日記

滋賀のご遺族からのメッセージ

 明日は、京都弁護士会でシンポジウムです。私も京都9に向かいますので、お近くの皆さま、ぜひお運びくださいね。

■京都弁護士会 <交通事故センター> 設立に向けての記念シンポジウム

『交通事故被害者救済の現状と課題』

日時/2010年12月18日(土)
   午後1時~(開場12時30分)
会場/京都弁護士会 地階大ホール
   京都市中京区富小路通丸太町下ル

>http://www.kyotoben.or.jp/event.cfm#534

■基調講演 米村幸純氏(交通死被害者遺族)

■パネルディスカッション

 パネラー 林田 七恵氏(毎日新聞大阪本社)
      柳原 三佳氏(ジャーナリスト)
      高階 謙一郎(京都第一赤十字病院救急部長)
      米村 幸純氏(交通死被害者遺族)
 進行司会 脇田 喜智夫弁護士(交通事故委員会委員長)

■問い合わせ 京都弁護士会 075-231-2378
*予約不要・参加無料

*********************

 さて、昨日お伝えした滋賀の事件のご遺族からメッセージが届きました。
 皆さまにご紹介いたします。
 

柳原様

 お世話になっております。今日はお仕事中お電話申し訳御座いませんでした。誰か、助けて!!何を信じれば良いの
 と思うと、つい、手が電話の方に行っていました。
 裁判官の判決文は無罪にするのに強引な気がしました。今度こそ本格的な事故をおこしたと言うメールが
 送信されている証拠があがっているのに、事故を起こした認識も出来なかった(報告義務違反も成立しない)
 証人として、呼ばれた修理業者の発言にも信用性が有る(被告の義兄の友人)
 
 修理業者の証言 車を走らせていたら急にガラスが割れた。トラックのミラーか看板かな?修理が必要やから修理を頼む。ガラスだけ でよいからいくら
 かかるか?見てみないとわからないから、後1時間くらでそっちに向かう

 障害物は何も無い。運転席からして左が大破、右側が対向車線、どうやってもトラックのミラーに当たる訳が無い

 会社上司の証言  事故を起こした。レッカー移動が必要。仕事も今日は休ませてもらいたい
 どこで事故をした? いねむっていて事故現場がわかない(そんなはずはない、通いなれた通勤路、あれだけの車の破損、両親2人
 あわせて135キロ)
 法廷では警察に通報するほどの事故でも無いと思ったと言っていますが、警察では心臓がバクバクし、口から心臓が飛び出るような感 じになり
 頭から血の気がひいて体温が下がる感じになった。人かもしれないと思った。人だったら大変な事になっていると供述している

 そして、警察ではカーオディオ捜査と格好まで、警察の前で見せて、一言も眠気を覚えたとは言っていない。一審が始まり
 検察官にひき逃げを追求され、疲れて居眠っていたので人とはきずかなかったと供述し居眠り運転に訴因変更
 そして、国選弁護人は慌てて、首をふっていた。そして、休廷までして、被告となにやらうち合わせしていた。
 あのやりとりを普通におかしいと裁判官は思わないのか?本当に無罪の人間は、供述が変わらないはず・・・
 
 そして、あげくの果てには、証人の発言も覆していました。私は、修理業者と会社上司にそのような発言はしていないと
  
 この被告、どこに真実を語っているように思えますか?

 検察は納得行っていない。すぐに協議にかけると控訴する姿勢でいてくれていることが今私の唯一の救いです
 被告がどれだけ悪あがきしても、裁判官を最後まで信じたいです。一審の時も、今回の救護義務違反も、裁判官を信じていました
 裁判で良い結果が出ますようにと手がけんしょう炎になりながら千羽鶴を折って・・・

 大変長文になりましたが拝見して下さった方、そしてこの場をお貸して下さった柳原様に感謝いたします。
  1. 2010/12/17(金) 14:07:34|
  2. ミカの日記

納得できない判決(滋賀県ひき逃げ死亡事故)

 今日、大津地方裁判所で、重大な死傷事故の判決が下されました。
 結果は、無罪。
 滋賀県のご遺族からは、

『救護義務違反(人との認識)だけでは無く、事故をした認識まで無かったと言った弁護側の主張を採用した判決でした。納得できません……』
 
 という連絡がありました。
 
 私は先日、この事故現場に足を運び、ドライバーの立場で検証を行いました。
 ここには、街路樹も、ガードレールも、看板も、障害物は何もありません。
 見通しもよく、道路の左右も見渡せます。
 百歩譲って、今フロントガラスに衝突した「物体」が、「人」だと気づかなくても、何か大きなものにぶつかったことだけは絶対に認識できたはずです。
 自分が何にぶつかったのか? もしかして人だったらすぐに助けなくてはならない……、そういう気持ちが起こらなかったのでしょうか。
 現実に、二人の大人が跳ねられたのです。

 あのとき、現場を立ち去らず、すぐに救急車を呼んでくれていれば、お父さんは助かったかもしれない……。
 その無念な思いをどこにぶつけてよいのか。
 検察は控訴するそうですが、こうした判決を野放しにすると、ひき逃げをしたドライバーは皆、
「被害者を認識できませんでした」
 と言い訳をすることでしょう。

■ひき逃げ一転起訴 被告無罪 大津地裁産経新聞 12月16日(木)15時33分配信

 滋賀県草津市の市道で昨年11月、歩行中の夫婦2人を軽乗用車ではねて死傷させたまま逃走したとして、道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われたパート従業員、古島美和被告(31)の判決公判が16日、大津地裁であり、澤田正彦裁判官は「被告が被害者を認識していたとはいえない」として無罪(求刑懲役1年)を言い渡した。

 古島被告は自動車運転過失致死傷罪で起訴され、2審で禁錮2年の実刑判決が言い渡され、弁護側が上告。一方、大津地検はひき逃げについて、いったんは嫌疑不十分で不起訴としたものの、遺族の陳情などを受けて改めて再捜査し、今年7月、一転して起訴していた。
  1. 2010/12/16(木) 22:21:20|
  2. ミカの日記

本日より「生命のメッセージ展in静岡」開催です!

 う~、千葉も今朝から本格的な寒さとなってきました。ぶるぶる。
 さてさて、本日より、静岡で「生命のメッセージ展」が開催されています。
 先日、『週刊朝日」でも取り上げた阿部事件のご遺族(静岡県在住)からもメッセージが届いています!
 皆さま、ぜひお運びくださいね!

http://www.city.shizuoka.jp/deps/simin/hanzaihigai-h.html

 静岡市では、殺人・悪質な交通犯罪等の結果、理不尽に生命を奪われた犠牲者が主役のアート展「生命のメッセージ展」を開催します。「命の重さ、尊さ」を訴え、犯罪のない社会を創造し、未来の命を守ることを目的としています。犠牲者の発する声なきメッセージを受け止めてくださる来場者もまた主役なのです。ぜひご来場ください。

●と き:平成22年12月16日(木)~12月19日(日)10:00~18:00 (最終日のみ13:30まで)
●ところ:静岡市民ギャラリー(静岡市役所本館1階 静岡市葵区追手町5番1号)

 

(阿部さんからのメッセージ)

16日から19日の4日間「メッセージ展jn静岡」です。
どうか、皆さん静岡に来て下さい。

開催場所の近くを少しご案内させて頂きます。

開催場所の市役所のすぐ裏通りの木々はイルミネーションで綺麗に飾られています。
又、地震防災センターも近くにあり体験できると思います。
東静岡には、人気の巨大ガンダムもそびえ立っています。

東静岡からは天気が良ければ綺麗な富士山を見る事が出来ます。

添付しました写真は、静岡の久能山東照宮です。徳川家康を祀る神社で国宝になりました。
静岡駅から20分~30分です。とてもきれいですよ。

久能山東照宮は日光東照宮の元となっていると言われておりますが・・・。
下から階段を上ると1159段(だったかな?)あり20分ぐらいかかるそうです。
ロープウェーですと5分で到着します。

その他、美術館も近くにありますので、お好きな方は、見て頂くと嬉しいです。

足を延ばして伊豆まで行かれると、又、素晴らしいと思いますが・・・。

富士山は今は残念ですが閉山して通れませんので行けないと思います。

是非、皆さん静岡に来て下さい。皆さんにお会いできることを楽しみにしております。


阿部 智恵
  1. 2010/12/16(木) 10:53:13|
  2. ミカの日記

『巻子の言霊』 update

今日、『巻子の言霊』(講談社)を読んでくださったジコサポネットの代表・粟津さまから、とてもありがたい感想メールをいただきました。

柳原さんの著書「巻子の言霊」拝見させていただきました。

本には交通事故被害者及びそのご家族が抱える問題や現実・交通事故問題
の矛盾が見事に表現され、私どもが常々考えていることが全て網羅されて
いるように思いいたく感動いたしました。

また柳原さんのきめ細かな表現によって「幸朗さんと巻子さん」の病室の風景
が眼に浮かび、涙なくして読む事が出来なかったと感じております。

単なる交通事故の被害者の実態に留まらず、厳しい状態に置かれた時の夫
婦愛とはいかなるものかという壮大なテーマのあったすばらしい作品と思
います。

桜の後にお二人はどのようにお過ごしなされていますでしょうか・・・・

後に妻も読ませていただきましたが、いたく感動したらしく、ふたりで夫
婦というものを改めて考える良い機会となりました。

           NPO交通事故サポートプログラム 粟津由紀夫



 粟津さんがこのメールに、

「桜の後にお二人はどのようにお過ごしなされていますでしょうか・・・・」

 と書いてくださっていますが、本が出た後も、巻子さんと幸郎さんの病室での優しい会話は、1日1日、静かに、少しずつ積み重ねられています。

 幸郎さんからは、定期的に『巻子の言霊update』と題して、私のもとにメールが届きます。
 今日は、最近の巻子さんの言霊を、みなさまにご紹介したいと思います。

 交通事故から4年半……。
 巻子さんはまだ、一度も住み慣れた我が家に戻ることはできていません。
好物のお赤飯はもちろん、あの日以来、口からは一切ものを食べることができません。
 悲しく、あまりにも厳しいいけれど、これが被害者の現実なのです。

<以下は、ご主人の松尾幸郎さんからいただいた、メールです。会話補助機で綴られた巻子さんの言葉が記録されています>


三佳さん

今日までの(巻子の言霊)をお知らせします:

11月2日
     病院に入ったら、すぐ訴えるので操作:
     (ゆきおさんに あいたいの)

    幸哉が正月になったら富山にくるよといったら:
    (こうやくんに あいたいの)

    3日前丁度Kさんが来ていたとき、Jさんがお赤飯を
    持ってきてくれた事を思い出したらしく:
    (このあいだの おせきはんは おいしかったでしょう)

    巻子は赤飯が大好物でした。
    (ゆきおさんに あいたいの)

    いつもそばにいてほしいということか ?

11月4日
    私がAdvisorしている会社のK氏とO氏が見舞いに
    来てくれた。巻子は元気がなく、目も弱弱しかったが、K氏の
    顔を見て大きくにっこりした:
    (Oさん Kさん よく.........)

ぱちぱちが弱くてはっきりしない。”よく来てくださいました”と言いたかった
   のだろう?と聞いたらぱちぱちした。

11月5日
    12:45 関口さんからのEmailや美樹からの手紙を読んでやった:
    (ゆきおさんに あいたいの)
    
    しばらくして又操作:
    (ゆきが ふってきたみたい)
 
    雨であったが、雪でもおかしくない天候だった

    (しんだの) 誰が? (まみーです)
    (しにたくないの)

    一方的な会話だが、二人で話しあう。
    生きているときも一緒、死んでも一緒、いつも、いつも一緒だよ
    と繰り返し話してやった。

    医学でこの辛さを直せるのか? 坊さんか牧師さんの出番か?
    裁判で勝ち取った慰謝料を札束にして見せれば、本人は
    癒されるとでもいうのか?
    辛い。

11月6日
    Kさんが来室。しばらく話した後に操作:
    (すてきです)  今日も目は弱弱しかった。

    午前中に巻子のインフルエンザの予防注射は終わっていた。
    おれも下へ行って注射してくる、といって戻ってきたら:
    (きょうの おふろは どうするの だでいへ)

     注射した日はお風呂に入らない方が良いとよく医者にいわれる。
     そのことを私に訊いた様だ。
     下半身だけシャワーするよ、といったらニコッとした。

11月7日
    Mさん(深川のおばさん)が杖をつきながら見舞いに来られた。
   (きょうは ほんとうに あしが いたいのを がまんして きて
    くださいました)
    巻子は大変喜んでいた。

11月9日
    おとつい Mさんが来られてよかったね...と話していたら:
    (ふかがわの おばさまの おつかれは いつごろ とれるのでしょうか)

    手紙しておくよ、と伝える。

11月12日
    (のどが からんで います)
  
    痰か? と訊くと目をパチパチする。こんなことを言うのは初めてだ。
    吸引してもらう。

    (Iさんは こうこうを そつぎょうしてから すぐに けっこんしたの)
 
    Iさんに手紙していいか? 目をぱちぱちする。

11月13日(土曜日)
    京子さんが操作:
    (きょうこさんは きょうも うつくしいの)

    そんなことないよ、京子は化粧しているから。巻子姉さんは化粧して
    いないのにきれいだよ。昔フユお母さんはよく言っていたよ!
    ”あんたは化粧せんにゃ 見られんよ”...と。姉はニコッとしました。

11月15日
    (ゆきおさんを あいしています) もっと続けるという
    (あいしています) これで終わりという。

11月16日
    14:30 弱弱しく訴えるので操作:
     (しにたいの)

     丁度院長の回診があったので、黙って院長に見せた。
     院長は励ましの言葉を言っていたが、それだけでは癒されない。
     私は、今まで貰った沢山の読者の感想文を読んでやった。
     ”お前は身体も動かせないが、ただ生きているだけで、人様の為に
      なっているのだ。多くの人がお前のことを知って感動し感謝している。
      だから、その為にこれからも生きよ!”と伝えた。
     ”おれの言うことがわかるか?”
     目をパチパチする。

11月17日
     今日の午後にIさんが病院に来られるよ、よかったな、と伝えたら
     ニコニコした。私の顔を見て (きょうの ようふくが すてきです)

     何のことは無い。俺のGreyのShirtsとGreyのVestが似合うということ  
     らしい。ありがとう。

11月19日
     Iさんが来られたことを北海道のMさんに報告しておいたよ、と
     伝える。 (Mちゃんに あいたいの) 伝えておくよ。

以上

松尾幸郎


  1. 2010/12/13(月) 17:33:34|
  2. 『巻子の言霊』感想文

ホームページにツイッターの窓ができました

 千葉も今日は冷え込んでいます。
 ようやく、師走っていう感じがしてきました。
 時間を見つけて少しずつ大掃除をしているのですが、またしても今年中に終わりそうにありません……。 

 さて、見よう見まねで始めた『ツイッター』ですが、●柳原三佳のホームページの左側に、最新のつぶやきが見えるよう、窓を作っていただきました。
 これなら、ツイッターをされていない方にも読んでいただけますよね。
 まだ使い方がいまいちわかっていませんが、面白いのでできるだけ呟いてみようかなあと思います。

 ツイッターにも書きましたが、今日はこれから、交通事故の被害者の方に会いに行きます。
 一昨日、資料をお送りいただいたのですが、事故の状況は高知白バイ事件とそっくりでした。
 止まっていたところをぶつけられたのに、なぜか動いていたことになっていたそうです。
 警察の作った実況見分調書(現場見取り図)はもちろんおかしいのですが、それをもとに判断した検察の抗弁も、これまた酷いものでした。
  
 今日も、強盗殺人事件で「無罪」判決が下されましたね。
 いい加減な捜査で、人生を狂わされている方が、どれだけいるのだろうと思うと、恐ろしくなります。

以下はこれからお会いする方からいただいたメールです。

******************************

 平成17年交通事故に遭い、救急車で運ばれてしまった為に現場検証に立ち会えず、相手(当時82歳)の滅茶苦茶な言い分だけが記された実況見分調書と全く整合性のない見取り図だけが残され、怪我をしているにも関わらず人身事故扱いもしない警察のとんでもない捜査に再三抗議を重ねました。

 診断書を受け取らない。
 上申書を受け取らない。
 上司を呼んでくれと言えば、担当官に署内で恫喝される始末でした。

 警視庁交通相談係、果てには広報課公聴係からも指示があったのに所轄交通課はそれすら無視。
 仕方なく弁護士を伴えば、
「うちは都内で交通事故ワースト1の交通課だ。それしきの事故は忙しくてまともに対応できない。小さな事故はきちんとした捜査などしなくて良いというルールがある」
 破損箇所まで間違っている事にも、
「右と書いてあっても左と読む」
という考えられない対応でした。

 検察に行けば、交通部副部長が出てきて、
「この図は正しくないが、我々はこれを正しいと判断する。貴方の意見は聞く必要はないし、その理由は述べる必要がない。この説明を理解しない貴方はおかしい」
 と基本的な人権の欠片も認められませんでした。

 警察OBである鑑定人に鑑定を依頼し、事故の状況は果てしなく私の過失は見当たらない結果になりましたが、先日の地裁の裁判では一方的な棄却。
 相手の老人の発言は運転適性どころか、正常ではない、としか言いようの無い供述でしかありませんでしたが、警察の報告書(全て私の抗議が始まってから後付けで作成されたもの)だけが採用されるというもので、相手に都合の悪いこちら側からの証拠は、一切無視という酷い判決でした。
 OBに依れば、初動捜査からの間違いに対し執拗に食い下がった私の行動は汚名以外の何物でもないため(弁護士を伴った際は全て会話を録音)何としても間違いを正しいと貫き通した、そういう行程は警察・検察・裁判所という権力の階級の中にはっきりと存在する関係をまざまざと浮き彫りにしたケースだ、ということでした。

 ご著書は拝読しております。
 命を落としたわけではありませんが、犯罪歴もない私が何故これほどまでに基本的な人権を奪い取られるのか、分かりません。

 こうした公的な理不尽を、今後も表面化して頂きたいと心から願います。
 気持ちはとことん萎えましたが、高裁に控訴します。
  1. 2010/12/10(金) 16:37:05|
  2. ミカの日記

庭の冬支度

 庭の冬支度がひと通り終わりました!
 越冬できない鉢植えの花々を、色とりどりのパンジーやビオラと入れ替えました。
 畑には、さやえんどうの苗、菜花を植え、サラダ用に、みず菜や赤かぶの種もまきました。
 早速、小さなかわいい芽が顔を出し始め、毎朝水やりをするのが楽しみです。
 主人の父がわざわざ松山から送ってくださった高菜の苗も順調に成長し、葉っぱが次々に収穫できます。これは豚肉などと一緒にさっと炒めると最高においしいんですよ~。
 主人のお父さんは、趣味で野菜作りをしているのですが、科学的な知識を駆使して育てているので、いろいろ教えてもらっているところです!!

 ツイッターのほうは、少しずつ覚えているところですが、どんどん仲間が増え、同時に世界が広がるようで面白いものですね。
 しかし、はまり込むと、ず~っとパソコンの前にい足り、携帯の画面を見続けることになるので、みんなどうしているのかしらと思っているところです。
 
 さて、抱えていた雑誌の締め切りも昨日一段落し、今日はこれから都内に出かけて、「死因究明問題」について新聞社の取材を受けた後、『週刊朝日』で打ち合わせの予定です。(その後は忘年会)
 相変わらず、私のもとには、交通事故の二次被害、三次被害に苦しむ方々からの声がエンドレス状態で届いており、なんとかさらなる問題提起ができないものかと考えているところです。 

  1. 2010/12/07(火) 12:06:34|
  2. ミカの日記

ツイッター始めました

 関東地方は、またしてもすごい暴風雨でした。
 千葉は朝から電車はがストップするし、庭は飛んできた枯れ葉だらけだし……、それとは関係ありませんが、突然、流し台のパイプに穴があいて、水は漏れるし、大変な一日でした。
 でも、流し台のほうはさっき修理が終わって、ようやく水が使えるようになりました。
 ほんとに、台所で水が使えないというのは、こんなに不便なものなんですね~~。

 昨夜はBSハイビジョンで、私が敬愛するジャズピアニスト・秋吉敏子さんの特集を見て、至福の時間を過ごしました。
 80歳(現在は81歳)とは思えない若々しさと、前向きな考え方。
 お話を聞きながらノートに走り書きをしていたのですが、後で見直したら、もう、珠玉のお言葉ばかり!

 一昨年、千葉でソロコンサートを開かれたとき、私はもちろん聴きに行ったのですが、そのときはなんと、CDにサインまでしていただいたのです。本当にうれしかったなあ~~。
 秋吉敏子さんがいつも一番初めに演奏される「ロング イエロー ロード」の素晴らしさ。
 車の中でもしょっちゅう聴いている、大好きな曲です。
 とにかく、秋吉敏子さんの生き方、考え方が好きなんです。
 あ~、今夜、もう一度ビデオを見ようっと。

 さてさて、私も遅ればせながら、みなさんに勧められ、『ツイッター』なるものを始めてみました。
「mikayanagihara」の名前で出ておりますので、一度検索してみてください。
 またやり方がよくわからないのですが、知り合いの方から、
「習うより慣れろですよ~」
 と声援をいただいたので、わけもわからないまま呟いてみようと思っています。
  1. 2010/12/03(金) 16:55:12|
  2. ミカの日記

プロフィール

柳原三佳

Author:柳原三佳
<ジャーナリスト・ノンフィクション作家>
交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演活動を行う。「週刊朝日」などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながったことも。2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。著書に「家族のもとへ、あなたを帰す ~東日本大震災 歯科医師たちの身元究明」「遺品~あなたを失った代わりに」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」「交通事故被害者は二度泣かされる」「自動車保険の落とし穴」「死因究明~葬られた真実」「焼かれる前に語れ」「交通事故鑑定人」「示談交渉人裏ファイル」「裁判官を信じるな」など多数。」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」は、NHKでドキュメンタリードラマ化された。「実父を医療過誤で亡くし、自らも医療過誤被害を受けた経験があり、現在は医療問題にも精力的に取り組んでいる。千葉県在住。自宅の裏庭に、「古民家(長屋門)」を移築し、スローライフも楽しんでいる。
■柳原三佳のHP http://www.mika-y.com/

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