柳原三佳のブログ

交通事故・死因究明問題などを追及する柳原三佳からの情報発信。あるときはジャーナリスト、あるときはノンフィクション作家、でも、1日の大半はお料理と芝刈りが大好きな「主婦」してま~す!

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交通事故遺族からのメッセージ

 昨年12月28日の私のブログで、名古屋市内で発生した交通死亡事故の目撃者情報を求めるご遺族からのお願い文を掲載しました。
 あれから9ヶ月が過ぎ、情報を提供してくださった皆さんへのお礼メッセージが、被害者のお姉さまから送られてきました。
 ご遺族のご自宅は福岡、事故現場は愛知と遠方で、現場での調査も大変なご苦労が伴ったと思います。でも、あきらめないで本当によかったですね!
 まだこれからいろいろなことが待ち受けていると思いますが、真実はひとつです。少しでもそこに近づくことをお祈りしています。

(以下、伊藤香織さんからのメールです)

 柳原さんのブログに掲載していただいたのは12月の事でした。
 たったの1日というあまりにも早い検察の不起訴処分の決定に、毎日が絶望感でいっぱいの日々を過ごしていました。
 よく言われる「死人に口なし」状態で処理されるという事が現実にあるなんて、この時は本当に信じられませんでした。
 それからというもの、警察に電話をかける毎日が続きました。

 今年1月、仕事の折り合いをつけ、友人と二人で名古屋へ行きました。
 現場検証や撮影、信号サイクルの計測などをする為です。
2泊3日という短い時間内でどれだけの事ができるか・・・事前にいろいろと下調べをしたり各機関への連絡をしたり、柳原さんにもアドバイスをいただきました。
 ただ1つ問題がありました。
 チラシを貼る許可を得る為に、所轄警察・土木会社・電力会社にお願いをしたのですが、どこへかけてもそれはうちの管轄ではないとたらい回しにされました。
 遠方の為、なかなか情報が得られなかった私たちにとって一番重要なのは少しでも多くの目撃情報を募る事です。
 でも名古屋行きの日は迫るばかり。ある日ふと考えました。たらい回しにされるという事はどこの管轄でもないという事じゃないか?
 思い切って、現場近辺の柱という柱にチラシを貼って、住宅にもポスティングしてきました。現場角にあるコンビニにもお願いして店内の見えやすいところに貼らせてもらえました。500枚刷っていたチラシはあっという間になくなり、3日はあっという間に過ぎました。

 帰ってきてからしばらくは何の連絡もありませんでした。入ってくるのは、迷惑メールや無言電話ばかり・・・
 やっぱり難しいのだろうかと思っていた頃・・・チラシを貼ってから半月後の事です。コンビニのチラシを見たという男性から電話があったんです。
 この男性は事故の瞬間を間近で見ており、現場にいながら警察が聴取を取っていなかった、一番の目撃者でした。
 しかもこの男性は事故の事をミクシィというSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のご自身の日記に書かれていたのです。
 話を聞いて信じられなかったのは、相手の証言に偽りがあった事です。一番重要な事故時の信号色を、曖昧な証言で片付けられていたのです。

 更なる情報を求めるべく、思いつく事は片っ端からやっていきました。
 3月からは目撃者の男性が入っているミクシィ内で呼びかけ、6月には地元新聞で、目撃者・心臓マッサージをしてくださった女性を捜す呼びかけをしました。

 6月に新聞に記事が掲載されると、その日のうちに自分も事故直後現場にいたという1人の女性からメールが届きました。
 柳原さんのHPを見てご連絡をくださったとの事。
 事故直後の様子をびっくりするほどしっかりと覚えておられ、この女性も相手の証言とは違った証言をされました。

 これで警察が事情を聞いていない目撃者は2人。
どちらも偶然なのか、警察が提示している目撃証言とは若干違う証言をされています。

 これだけ目撃情報がそろえばいいだろうと弁護士さんに相談しに行きました。
 でも出てくる言葉は、
「これだけじゃちょっと難しいだろう」
「せめて心臓マッサージしてくれた女性が見つかれば・・・」という消極的な意見ばかり。
 もう味方はいないなと感じましたし、「論より証拠」だという事を痛感しました。
 本当に悔しかったのと同時に、せっかく勇気を出して証言してくださったお2人に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
 それで弁護士さんを納得させられる証拠をつかむまでは相談するのはやめようという気持ちに切り替えました。

 何とかして心臓マッサージをしてくださった女性を捜す方法はないか??
 そればかり考えて、ミクシィでも常に自分の呼びかけが一番上にくるように、毎日チェック。
 とっさに心臓マッサージができると言えば医療従事者だろうと思い、地元の看護協会や医療の関係者、市役所、区役所に問い合わせをしました。
 もちろん返事は期待していたものではありませんでした。
素人ができる事は限られてきます。
 調査の他にも、遺族には法要をしなければならないという現実もあります。
 仕事もしていた私にできる事は、正直これが精一杯で、しばらくは何の進展もなく、悶々とした日々を送っていました。
 そんなある日別の友人が、名古屋市内の病院や学校に問い合わせたらどうかというアドバイスをくれました。
 アドバイスをくれただけではなく、8月には実際に自分で文書を作成し、市内の病院、小・中学校、高校、養護学校と計500件以上の施設にその文書を送り続けてくれていました。
 ですが、返事はくるものの、該当者はいない・・・

 もしかしたら遠方に住んでいて、たまたまその日だけ、現場を通ったのかもしれない。
 気づいてはいるものの、名乗り出てくれないのかもしれない。
いろんな可能性が考えられました。
 もどかしさや歯がゆさでいっぱいの毎日。

 9月27日。文書を送り始めてから約1ヶ月半後の事です。
文書を送った学校の1つから、うちの学校の生徒の保護者だという連絡が入りました。

 事故から約1年。
 捜し続けてきた女性がとうとう見つかりました。

 最初は私や両親だけの思いだったのかもしれません。
 両親は高齢の為、また自分たちが知っている以上に弟が有望視されていた為、悲しみや絶望感の方がはるかに大きく、見ているだけで辛かったです。
 度々現実逃避する様子などを見ると、涙が出ました。
 ほんの数ヶ月で何歳も年を取ったように見えました。
もちろん私も悲しかったけれど、子供を亡くした親の気持ちには計り知れないものがあります。
 周囲にはこういった経験をした人などまったくいなかったので、誰にも理解されないという孤独感もありました。
 両親は辛い中にも、やはり警察や検察や相手への不信感はあったようで、「事故の調査はお前に任せる。自分たちにできる事があったら協力するから。」と涙ながらに言われたのを覚えています。
 だから正直事故の調査は私一人で始めたようなものでした。
 何の知識もなく、ただただ本を読み漁って、ネットで調べて・・・調べれば調べるほどまったく未知の世界です。
 でも、弁護士にも頼らず個人的にどんどん調査を進めて行くうちに、周囲にはたくさんの人たちが集まってきてくれていました。
「自分にできる事はないか?」
「こうしたらいいのではないか?」
 我が事のように考えてくれましたし、度々落ち込む私を本当に根気よく励ましてくれました。

 こうやって目撃者を捜し出せたのも、こういったみんなの協力があったからこそだと思います。
 一人では絶対に無理でした。両親も辛いながらも、協力できるところは精一杯協力してくれました。事故を思い出す事さえ、精神的に相当なダメージなのに。

 ただ運がよかっただけかもしれません。
でも何もしていなければ、その運もつかめていませんでした。

 偶然が重なっただけかもしれません。
でもその偶然も、周囲の人たちの協力がなければ起きなかった事です。

 何よりも諦めずに行動を続ける事、弟を信じ続けて真相を明かしたいという気持ちを捨てない事。
 簡単なようだけど、これが一番難しいと思います。

 10月には、また目撃情報を募るチラシの設置をしてもらえる事になりました。
 私も名古屋へ行き、目撃者の方・心臓マッサージをしてくださった女性に会って来ます。

 まだまだこれからだと思いますが、絶対に諦めません。
 いつの日か必ず真相を明らかにしたいし、そうなると信じています。
長くなりましたが、これが大体のこれまでの活動です。

 柳原さんには何かある度に愚痴のようなメールを送ってしまい、本当に申し訳ありませんでした。
 でも、ここまでこれたのは根本に柳原さんのお言葉があったからこそです。
 ブログでの呼びかけの掲載をお願いしておきながら、柳原さんにメールを送るだけでその後の進展等お知らせしていなかった事、お詫び申し上げます。
本当に感謝しております。
先ほども書きましたが、まだまだこれからだと思います。
 諦めないで頑張っていきたいと思っています。
どういった事を書いていいのか分かりませんでした・・・すみません。
朝晩だいぶ涼しくなってきました。
 どうかお身体ご自愛くださいませ。
 それでは、失礼致します。

                        伊藤 香織
  1. 2007/10/02(火) 17:52:11|
  2. ミカの日記

プロフィール

柳原三佳

Author:柳原三佳
<ジャーナリスト・ノンフィクション作家>
交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演活動を行う。「週刊朝日」などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながったことも。2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。著書に「家族のもとへ、あなたを帰す ~東日本大震災 歯科医師たちの身元究明」「遺品~あなたを失った代わりに」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」「交通事故被害者は二度泣かされる」「自動車保険の落とし穴」「死因究明~葬られた真実」「焼かれる前に語れ」「交通事故鑑定人」「示談交渉人裏ファイル」「裁判官を信じるな」など多数。」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」は、NHKでドキュメンタリードラマ化された。「実父を医療過誤で亡くし、自らも医療過誤被害を受けた経験があり、現在は医療問題にも精力的に取り組んでいる。千葉県在住。自宅の裏庭に、「古民家(長屋門)」を移築し、スローライフも楽しんでいる。
■柳原三佳のHP http://www.mika-y.com/

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