柳原三佳のブログ

交通事故・死因究明問題などを追及する柳原三佳からの情報発信。あるときはジャーナリスト、あるときはノンフィクション作家、でも、1日の大半はお料理と芝刈りが大好きな「主婦」してま~す!

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「巻子の言霊」の書評が「保険毎日新聞」に掲載されました

 終戦の日を迎え、このところ連日、戦争にまつわる貴重なドキュメンタリー番組が放送されています。
 できる限り録画し、仕事を終えてから深夜に見ているのですが、65年目の今、改めて感じるのは、90歳前後の戦争体験者の方々が、「今、語っておかなければ」と、重い口を開き、封印されていた過去の苦しい体験を証言してくださっているということです。
 たくさんの体験談を聞きながら、今の平和がどれほどの犠牲の上に成り立ってきたのか……、戦後生まれの私たちがいかに当時のことについて何も知らないで育ってきたか……、そのことを痛感しています。

 さて、8月11日の「保険毎日新聞」に、新刊『巻子の言霊』の書評が掲載されました。
 この本はもともと、被害者に対する損保会社の理不尽な払い渋り問題が契機となって取材を始めたという経緯がありました。
 それだけに、この書評にもあるとおり、「保険業界人」にこそしっかり読んでいただき、自動車保険の在り方や被害者対応について考えてもらいたいと思っています。
 それが、この本の主人公である、松尾さん夫妻の強い思いでもあるのです。

■新刊紹介■
『巻子の言霊 ~愛と命を紡いだ、ある夫婦の物語』

(柳原三佳著 講談社刊)

 一人の少年の居眠り運転がもたらした一瞬の事故。それが、長年連れ添ってきた夫婦の運命を変えた。

 2006年7月1日、午後8時10分ごろ、富山市の呉羽丘陵の切通しを貫く片側一車線の直線道路で、自宅に向かう松尾巻子さんの車にセンターラインをオーバーした少年の対向車が衝突した。

 被害者の巻子さんは、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、上位頚髄損傷、下位脳幹損傷、環軸椎亜脱臼、両下腿多発骨折、下顎骨骨折を負った。一命は取り留めたものの意識不明となり、医師からは植物状態を覚悟してほしいと言われるほどの重症だった。
『巻子の言霊』は、この事故を追いかけたノンフィクション作家の柳原三佳氏のルポルタージュだ。

 巻子さんは15日間の意識不明から奇跡的に回復する。しかし、その先に待っていたのは、全身まひ、動くのは唯一「まぶた」だけという現実だった。自発呼吸すらできず気管挿管と横隔膜ペースメーカーが埋め込まれた。さらに、食事ができないために腹部に穴を開ける「胃ろう」により直接胃に栄養剤を送り込む。

 その後、献身的な介護を行う夫の幸郎さんは、巻子さんと「まぶた」の動きだけで会話をすることを考える。イエスならまばたきを2回、ノーなら目を閉じる。やがて「レッツ・チャット」という会話補助機を使い、「まぶた」のイエス・ノーで一文字ずつ巻子さんの言いたいことが分かるようになる。しかし、そこで 綴られた言葉は、「まきこをころしてください」だった。

 本書は、高度な医療を担える受け入れ病院がなく、転院せざるを得ない医療難民の問題、交通事故裁判や任意保険対人無制限の問題点なども指摘している。

 著者は「一瞬の事故によって、いったいどれだけ多くの人たちの人生が狂わされ、その裏側にどれほどの苦悩が埋もれていることだろう」と問いかける。
 この本には、人の生死にかかわることの多い保険業界人にこそ知ってもらいたい真実が隠されている。

<本書の主な内容>
第1章   終の住処
第2章   運命の日
第3章   奇跡
第4章   命の値段
第5章   紡がれる言霊
第6章   夫婦の歴史
第7章   「赦し」とは
第8章   遺言
終章    桜


                          「保険毎日新聞」(2010.8.11)
  1. 2010/08/15(日) 16:12:06|
  2. 柳原三佳の執筆記事

プロフィール

柳原三佳

Author:柳原三佳
<ジャーナリスト・ノンフィクション作家>
交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演活動を行う。「週刊朝日」などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながったことも。2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。著書に「家族のもとへ、あなたを帰す ~東日本大震災 歯科医師たちの身元究明」「遺品~あなたを失った代わりに」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」「交通事故被害者は二度泣かされる」「自動車保険の落とし穴」「死因究明~葬られた真実」「焼かれる前に語れ」「交通事故鑑定人」「示談交渉人裏ファイル」「裁判官を信じるな」など多数。」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」は、NHKでドキュメンタリードラマ化された。「実父を医療過誤で亡くし、自らも医療過誤被害を受けた経験があり、現在は医療問題にも精力的に取り組んでいる。千葉県在住。自宅の裏庭に、「古民家(長屋門)」を移築し、スローライフも楽しんでいる。
■柳原三佳のHP http://www.mika-y.com/

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