柳原三佳のブログ

交通事故・死因究明問題などを追及する柳原三佳からの情報発信。あるときはジャーナリスト、あるときはノンフィクション作家、でも、1日の大半はお料理と芝刈りが大好きな「主婦」してま~す!

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今週の「東洋経済」(32010.10.23号)で、保険特集

 今週発売の「東洋経済」(2010.10.23号)は、保険の大特集です。
 その中に「保険金払い渋りの実態~余命を短く見積もり、その分しか払わない」というページがあります。
 記事の中では、『巻子の言霊』(講談社)で取材させていただいた、富山の松尾さん夫妻が取り上げられ、私・柳原三佳のコメントも掲載されています。
 損保の払い渋りで悔しい思いをされている方、ぜひお読みになって見てください。

 そんな中、『巻子の言霊』を読んでくださった方から。下記のような感想文が届きました。
 この方も、巻子さんと同じく不可抗力の交通事故に遭い、足を切断するという大変なけがを負われました。
 被害者の苦しみが伝わってきます。
 Nさん、感想文をありがとうございました。

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●「巻子の言霊」読ませていただきました。

 私自身が障害者になる前、テレビ等でいろんな映像を見るたびに、「かわいそうに」とか「辛いだろう」とか「頑張れ」などと、わかったような顔をして、家族で話していました。障害者になってどのくらいのときが経過したときでしょう。それは、うわべだけのことだったことに気づかされました。本当に、理解しようという気持ちは微塵も無かったのです。そのきっかけとなった言葉は、家内の一言でした。「辛いでしょう。辛いのはわかる。でもどのくらい辛いのか、私にはわからない。」それまで何かにつけ、愚痴を言っていた私です。「疲れた。」だの、「辛い。」だの、聞かされる人もたまったものではなかったのです。家内もどれだけ辛かったことか。それ以来、「疲れた。」だの、「辛い。」だの言わないようになりました。
 障害者となってわかったことは、「誰も私の辛さがわからない。」そして、「人の辛さは私にはわからない。」ということです。やはり経験した本人にしかわからない。

 健常なときとは違い、少しは理解しているつもりです。しかし、巻子さんご本人のつらさ、ご主人のつらさ、御家族のつらさを計り知ることはできません。私よりも格段に、辛く、悔しいことだけはわかります。適切な言葉かどうかわかりませんが、頑張ってください。

『巻子の言霊』の中で共感したところ、全くそうだと思うところを書かせていただきます。

●加害者の弁護士、正確に言えば加害者が加入していた損害保険会社の顧問弁護士が好き勝手なこと、非人道的なことを発言する。
 現在裁判中の私ですが、全く同感です。民事訴訟手続では、日常生活・日常会話とは違った訴訟手続独特のルールが存在し、言葉の意味も、訴訟手続独特のものがある。加害者の単なる代理人である弁護士の発言は、加害者の発言とはイコールではないという。人の心を持たない怪物であるように感じます。

●加害者は無制限に加入しているから、加害者が思う保証が可能だと感じていること。
 私の加害者も無制限に加入しているということ、私が過大な要求をしているとは思えない。要求通り支払う必要があるということを言われましたが、損保会社が支払いを拒否しているだけ。被害者を救済することが出来るという大前提で、保険が存在しているにもかかわらず、損保会社は、一円も払わないという姿勢。やっぱりおかしいと感じるのは私だけではないことと思う。損保会社や弁護士が表へ顔を出したら、当事者間での和解案は意味を成さないらしい。そんなことを知らない加害者と被害者は、第三者の損保会社が波風立たないように話を進めてくれると思っている。これが、最大の問題点かもしれません。

●裁判制度の問題、アメリカでは認められるけれど日本では認められない。
 私はかろうじて死なずにすんだ。何かをしようとするとき健常時の3倍近くのエネルギーを使い、3倍以上の時間が必要となる。平均寿命を生きたとしても、健常時の1/3の事柄しか出来ない。残りの2/3を返して欲しい。そう訴えようとしたが、日本の法律では全く相手にされない、訴訟にならないという。人間はただ働いて、食事して寝るだけではない。8時間働き、8時間眠り、残りの8時間を自分のため家族のために有意義に使う。これがあるから、頑張れることに間違いないはずなのに、このことには損保会社の人間も納得する。しかし、残りの8時間を返せと言っても、法律が返してくれない。法律からするとお話にならない屁理屈になってしまう。弱者を向いていない法律。何もかもが弱肉強食の世界なのか。
 どこかのホームページで読んだ言葉だけれど、まさに「加害者王国ニッポン」だと感じる。

●自分の今の状況をどうやって断ち切るのか、どうしたら断ち切れるのか、どう癒すのか。
 時間経過は、被害者の心の負担を和らげることは無い。むしろ、辛さ、無念さを重ねているだけ。反面加害者は、時間に経過が罪の意識を薄らげる。痛くも痒くもないのである。私は、自分の犯した不法行為を忘れては困るという思いから、たびたび訪問するように依頼した。定期的ではないが、何度か訪問を受けた。顔を合わせるたびに、加害者が何をどう考えているか知るところではないが、被害者を忘れてもらっては困る。

 自分に全く非が無く、何が原因で今があるのかわからない。この理不尽さ。なんと表現したらいいのか、私も未だに許容することが出来ない。被害者には苦悩だけが残り、加害者は何事も無かったかのように今まで通りの生活を続けている。続けることが出来る。この無念さは、いつまでもなくなることはない。
 訴訟で一応の終結という形を作るけれど、お金ではない。謝罪でもない。
元に戻りさえすれば、何もいらない。しかし、かなわない。どう、決着をつけたらいいのか、先の見えないトンネルにいることだけは間違いない。被害者は、救われることは無い。いつまでも引きずっていられないことは理解できるのだが、・・・。
  1. 2010/10/20(水) 22:21:39|
  2. 柳原三佳の執筆記事

プロフィール

柳原三佳

Author:柳原三佳
<ジャーナリスト・ノンフィクション作家>
交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演活動を行う。「週刊朝日」などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながったことも。2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。著書に「家族のもとへ、あなたを帰す ~東日本大震災 歯科医師たちの身元究明」「遺品~あなたを失った代わりに」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」「交通事故被害者は二度泣かされる」「自動車保険の落とし穴」「死因究明~葬られた真実」「焼かれる前に語れ」「交通事故鑑定人」「示談交渉人裏ファイル」「裁判官を信じるな」など多数。」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」は、NHKでドキュメンタリードラマ化された。「実父を医療過誤で亡くし、自らも医療過誤被害を受けた経験があり、現在は医療問題にも精力的に取り組んでいる。千葉県在住。自宅の裏庭に、「古民家(長屋門)」を移築し、スローライフも楽しんでいる。
■柳原三佳のHP http://www.mika-y.com/

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