柳原三佳のブログ

交通事故・死因究明問題などを追及する柳原三佳からの情報発信。あるときはジャーナリスト、あるときはノンフィクション作家、でも、1日の大半はお料理と芝刈りが大好きな「主婦」してま~す!

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『巻子の言霊』 update

今日、『巻子の言霊』(講談社)を読んでくださったジコサポネットの代表・粟津さまから、とてもありがたい感想メールをいただきました。

柳原さんの著書「巻子の言霊」拝見させていただきました。

本には交通事故被害者及びそのご家族が抱える問題や現実・交通事故問題
の矛盾が見事に表現され、私どもが常々考えていることが全て網羅されて
いるように思いいたく感動いたしました。

また柳原さんのきめ細かな表現によって「幸朗さんと巻子さん」の病室の風景
が眼に浮かび、涙なくして読む事が出来なかったと感じております。

単なる交通事故の被害者の実態に留まらず、厳しい状態に置かれた時の夫
婦愛とはいかなるものかという壮大なテーマのあったすばらしい作品と思
います。

桜の後にお二人はどのようにお過ごしなされていますでしょうか・・・・

後に妻も読ませていただきましたが、いたく感動したらしく、ふたりで夫
婦というものを改めて考える良い機会となりました。

           NPO交通事故サポートプログラム 粟津由紀夫



 粟津さんがこのメールに、

「桜の後にお二人はどのようにお過ごしなされていますでしょうか・・・・」

 と書いてくださっていますが、本が出た後も、巻子さんと幸郎さんの病室での優しい会話は、1日1日、静かに、少しずつ積み重ねられています。

 幸郎さんからは、定期的に『巻子の言霊update』と題して、私のもとにメールが届きます。
 今日は、最近の巻子さんの言霊を、みなさまにご紹介したいと思います。

 交通事故から4年半……。
 巻子さんはまだ、一度も住み慣れた我が家に戻ることはできていません。
好物のお赤飯はもちろん、あの日以来、口からは一切ものを食べることができません。
 悲しく、あまりにも厳しいいけれど、これが被害者の現実なのです。

<以下は、ご主人の松尾幸郎さんからいただいた、メールです。会話補助機で綴られた巻子さんの言葉が記録されています>


三佳さん

今日までの(巻子の言霊)をお知らせします:

11月2日
     病院に入ったら、すぐ訴えるので操作:
     (ゆきおさんに あいたいの)

    幸哉が正月になったら富山にくるよといったら:
    (こうやくんに あいたいの)

    3日前丁度Kさんが来ていたとき、Jさんがお赤飯を
    持ってきてくれた事を思い出したらしく:
    (このあいだの おせきはんは おいしかったでしょう)

    巻子は赤飯が大好物でした。
    (ゆきおさんに あいたいの)

    いつもそばにいてほしいということか ?

11月4日
    私がAdvisorしている会社のK氏とO氏が見舞いに
    来てくれた。巻子は元気がなく、目も弱弱しかったが、K氏の
    顔を見て大きくにっこりした:
    (Oさん Kさん よく.........)

ぱちぱちが弱くてはっきりしない。”よく来てくださいました”と言いたかった
   のだろう?と聞いたらぱちぱちした。

11月5日
    12:45 関口さんからのEmailや美樹からの手紙を読んでやった:
    (ゆきおさんに あいたいの)
    
    しばらくして又操作:
    (ゆきが ふってきたみたい)
 
    雨であったが、雪でもおかしくない天候だった

    (しんだの) 誰が? (まみーです)
    (しにたくないの)

    一方的な会話だが、二人で話しあう。
    生きているときも一緒、死んでも一緒、いつも、いつも一緒だよ
    と繰り返し話してやった。

    医学でこの辛さを直せるのか? 坊さんか牧師さんの出番か?
    裁判で勝ち取った慰謝料を札束にして見せれば、本人は
    癒されるとでもいうのか?
    辛い。

11月6日
    Kさんが来室。しばらく話した後に操作:
    (すてきです)  今日も目は弱弱しかった。

    午前中に巻子のインフルエンザの予防注射は終わっていた。
    おれも下へ行って注射してくる、といって戻ってきたら:
    (きょうの おふろは どうするの だでいへ)

     注射した日はお風呂に入らない方が良いとよく医者にいわれる。
     そのことを私に訊いた様だ。
     下半身だけシャワーするよ、といったらニコッとした。

11月7日
    Mさん(深川のおばさん)が杖をつきながら見舞いに来られた。
   (きょうは ほんとうに あしが いたいのを がまんして きて
    くださいました)
    巻子は大変喜んでいた。

11月9日
    おとつい Mさんが来られてよかったね...と話していたら:
    (ふかがわの おばさまの おつかれは いつごろ とれるのでしょうか)

    手紙しておくよ、と伝える。

11月12日
    (のどが からんで います)
  
    痰か? と訊くと目をパチパチする。こんなことを言うのは初めてだ。
    吸引してもらう。

    (Iさんは こうこうを そつぎょうしてから すぐに けっこんしたの)
 
    Iさんに手紙していいか? 目をぱちぱちする。

11月13日(土曜日)
    京子さんが操作:
    (きょうこさんは きょうも うつくしいの)

    そんなことないよ、京子は化粧しているから。巻子姉さんは化粧して
    いないのにきれいだよ。昔フユお母さんはよく言っていたよ!
    ”あんたは化粧せんにゃ 見られんよ”...と。姉はニコッとしました。

11月15日
    (ゆきおさんを あいしています) もっと続けるという
    (あいしています) これで終わりという。

11月16日
    14:30 弱弱しく訴えるので操作:
     (しにたいの)

     丁度院長の回診があったので、黙って院長に見せた。
     院長は励ましの言葉を言っていたが、それだけでは癒されない。
     私は、今まで貰った沢山の読者の感想文を読んでやった。
     ”お前は身体も動かせないが、ただ生きているだけで、人様の為に
      なっているのだ。多くの人がお前のことを知って感動し感謝している。
      だから、その為にこれからも生きよ!”と伝えた。
     ”おれの言うことがわかるか?”
     目をパチパチする。

11月17日
     今日の午後にIさんが病院に来られるよ、よかったな、と伝えたら
     ニコニコした。私の顔を見て (きょうの ようふくが すてきです)

     何のことは無い。俺のGreyのShirtsとGreyのVestが似合うということ  
     らしい。ありがとう。

11月19日
     Iさんが来られたことを北海道のMさんに報告しておいたよ、と
     伝える。 (Mちゃんに あいたいの) 伝えておくよ。

以上

松尾幸郎


  1. 2010/12/13(月) 17:33:34|
  2. 『巻子の言霊』感想文

プロフィール

柳原三佳

Author:柳原三佳
<ジャーナリスト・ノンフィクション作家>
交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演活動を行う。「週刊朝日」などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながったことも。2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。著書に「家族のもとへ、あなたを帰す ~東日本大震災 歯科医師たちの身元究明」「遺品~あなたを失った代わりに」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」「交通事故被害者は二度泣かされる」「自動車保険の落とし穴」「死因究明~葬られた真実」「焼かれる前に語れ」「交通事故鑑定人」「示談交渉人裏ファイル」「裁判官を信じるな」など多数。」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」は、NHKでドキュメンタリードラマ化された。「実父を医療過誤で亡くし、自らも医療過誤被害を受けた経験があり、現在は医療問題にも精力的に取り組んでいる。千葉県在住。自宅の裏庭に、「古民家(長屋門)」を移築し、スローライフも楽しんでいる。
■柳原三佳のHP http://www.mika-y.com/

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