柳原三佳のブログ

交通事故・死因究明問題などを追及する柳原三佳からの情報発信。あるときはジャーナリスト、あるときはノンフィクション作家、でも、1日の大半はお料理と芝刈りが大好きな「主婦」してま~す!

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[交通事故被害者は二度泣かされる」書評

 来週発売予定の週刊誌記事もほぼ仕上がり、少しほっとしているところです。
 庭では、色とりどりのチューリップやパンジーが満開。姫りんごの花も咲き始めていますが、ここのところめまぐるしく変わるお天気に、ちょっと動揺気味。強風や大雨で、花びらがひらひら舞ってしまっています。
 
★今日の「盲導犬の卵ちゃん」は29日目。お目めもパッチリ開いてきましたね~~。

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 さて、もうひとつの話題は、拙著「交通事故被害者は二度泣かされる」(リベルタ出版)の書評です。
 先月「図書新聞」に掲載されていたことを教えていただきました。
 とてもよぃ書評を書いていただき、ありがとうございました。
 皆様もぜひ読んでみてください。

■書評 図書新聞 06年3月18日

誰もが被害者になりえ、加害者にもなりうる
理不尽な事態がさらに加重化されて、被害者や
その近親者を悲痛な状況に置きつづけている交通事故

 病気や天災による災禍は、納得しきれないものはあるとしても、時間の経過がある種の諦観を招き寄せる。だが、事故災害のなかでも、交通事故だけは、絶対に承服しきれるものではない。なによりも、車の故障や欠陥、道路事情の不備といった要因も考えられるが、大部分は加害者の無謀かつ理不尽な行為によって引き起こされる人為的なものといっていいからだ。車が走行する道路は、絶えずそのようなものを発生させる場所だとしたら、それは異常な事態というしかない。歩道を安心して歩ける(あるいは、安全運転していれば大丈夫)という保証すらないのだったら、この社会から車類の一切を廃絶する以外にないが、そんなことはありえない。
 本書で取り上げている事例は、そのような理不尽な事態がさらに、加重化されて被害者やその近親者を悲痛な状況に置きつづけていることが記述されている。著者は、そのような状況を、「交通事故の『二次的被害』」と捉えて、その事由を、「警察や検察のずさんな捜査」、「損保会社による一方的な過失の押し付けや払い渋り」、「自賠責保険査定制度の不透明さ」、「誤った判決を書く裁判官」などによって、考えられないような事態へと転換されていることを、取材を通して明らかにしている。
なんといっても、際立っていえることは、杜撰な捜査によって被害者側にも非があるとされていく場合だ。被害者が亡くなったり、重傷で供述できない状態の時、一方的に加害者の供述によって調書が作成されていくというものだ。例え目撃者がいても、それすら無視されたり、捏造されたりして加害者に優位になるかたちになっていくという、信じられないことが現実的に起きていると著者は述べている。
 「交通事故をめぐるトラブルの多くは、警察による初動捜査の甘さが発端になっている。『甘さ』といってもそのレベルは、単純な『捜査ミス』から『調書捏造』という犯罪行為までさまざまだが、一度調書に書かれた事故内容を覆すことはいずれの場合も非常に困難で、当事者やその家族は長い年月苦しんでいるのが現状だ。」(「第3章 誤捜査はなぜ起こるのか」)
 「日本の警察が『捜査の秘密』という言葉を盾にし、公道で日常的に発生している交通事故の調書まで隠さなければならない理由…、それは、言い換えれば『見せる自信のない非科学的な調書』を作成しているからではないか。」(「第4章 事故の真実が知りたい」)
 さらに、加害者が公務員の場合、正式起訴率が一般市民と大きな差があることも、『犯罪白書』で示されているという。それは、何を物語っているかは明らかだ。さらに類推すれば加害者自身やその家族が、警察に何らかの働きかけができる立場にあれば、圧倒的に被害者が不利になっていくこともありうるといっていいはずだ。
 また、著者は、ここ数年「ひき逃げの件数」が急増していることや、その「検挙率」が低下していることを例示している。「ひき逃げ」を「車社会における『重要凶悪犯罪』」(「第1章 悪質化する交通犯罪」)だと断じている。こうなれば、交通事故ではなく確かに、「犯罪」だ。
 本書の事例に接し、暗澹たる思いを抱かざるをえなかった。だが、車社会におけるモラルやルール遵守を声だかに主張しても、それを認識し、実行するのは一人一人の個人の意識に委ねる以外にない。刑罰を重くする、免許取得を厳しくしていく、といったことが、いくらか有効性を示す方途かもしれないとしてもだ。
 十五年にわたって交通事故をめぐる記事を書き続けてきた著者は、「車のハンドルを握って公道に出るということが、どれほど責任の重いことであるか、(略)社会全体でもっと真剣に考えていかなければならない」(「あとがき」)と述べる。誰もが、被害者になりうるし、加害者にもなりうるのが、交通事故という実際なのだ。だからこそ、「悲惨な交通事故の軽減と二次被害の撲滅」をテーマとして追い続けている著者の「仕事」を、わたしは全面的に支持したいと思っている。
(フリー・ジャーナリスト 宗近藤生)
  1. 2006/04/21(金) 12:59:03|
  2. ミカの日記

プロフィール

柳原三佳

Author:柳原三佳
<ジャーナリスト・ノンフィクション作家>
交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演活動を行う。「週刊朝日」などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながったことも。2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。著書に「家族のもとへ、あなたを帰す ~東日本大震災 歯科医師たちの身元究明」「遺品~あなたを失った代わりに」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」「交通事故被害者は二度泣かされる」「自動車保険の落とし穴」「死因究明~葬られた真実」「焼かれる前に語れ」「交通事故鑑定人」「示談交渉人裏ファイル」「裁判官を信じるな」など多数。」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」は、NHKでドキュメンタリードラマ化された。「実父を医療過誤で亡くし、自らも医療過誤被害を受けた経験があり、現在は医療問題にも精力的に取り組んでいる。千葉県在住。自宅の裏庭に、「古民家(長屋門)」を移築し、スローライフも楽しんでいる。
■柳原三佳のHP http://www.mika-y.com/

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