柳原三佳のブログ

交通事故・死因究明問題などを追及する柳原三佳からの情報発信。あるときはジャーナリスト、あるときはノンフィクション作家、でも、1日の大半はお料理と芝刈りが大好きな「主婦」してま~す!

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

『週刊金曜日』(3/18号)に記事執筆

 東日本巨大地震発生から10日目を迎えた被災地で、岩手県釜石市は、25日から身元不明の遺体についても土葬に踏み切ることを決めたそうです。
 被災地には全国各地から法医学者の方々や歯科法医学者の方々が駆けつけ、余震の続く中、現地の検視官らとともに懸命に検視・検案作業にあたってくださっています。
 ◆ある法医学者のブログ

 しかし、あまりにも死者数が多く、すべての方々の身元を特定することはできないのが現状です。
 先週の金曜日に発売された『週刊金曜日』に、私は以下の記事を書きました。
 今回のような大規模災害は、まさに想定外かもしれませんが、災害の多い日本としてはこうしたシステムを整備することが大切だと思います。

 遅れるデータベース化
 身元確認システム構築急務

 (「週刊金曜日」(3/18号)

 三月十一日、東北地方で発生した巨大地震。現地の警察は、少なくとも万単位で死者が出る模様だと発表した。遺体の収容は遅々として進まず、震災から三日後の正午時点で検視を終えた遺体は一六四七体、そのうち遺族に引き取られた遺体は約百五十体のみで、大半は身元不明のままだという。

 こうした状況の中、厚労省は十四日、墓地埋葬法に基づく許可証がなくても弾力的に遺体の埋葬を認める方針を決定。中野寛成国家公安委員長は会見で「歯型やDNA型などを保存し、後々検証できるようにする」と話した。
法医学の専門家によると、水死体や焼死体など損傷の激しい遺体の個人識別には、歯科データ(治療痕など)の照合が有効だという。歯は人の体の組織の中でもっとも硬く、腐乱したり白骨化しても長く残るからだ。しかし今回は、津波や火災で、自宅だけでなく歯科医院も消失している可能性が高く、被害者の身元確認には困難を極めることが予想される。

 ちなみに、二月十二日にニュージーランドで起こった地震では、一カ月経ってようやく十一人目の身元が確認された。諸外国では歯型やDNA型から科学的に個人識別を行うため、時間はかかるが身元不明のままで終わることはまずない。オーストラリアのビクトリア州で大規模な山火事が発生し、二百人以上が焼死したときも、人間か動物かの見分けがつかない焼死体を全て法医学研究所に運んで解剖を行い、最終的には法医学者と歯科の専門家が被害者全員の身元を特定したという。同州では、解剖結果や口腔写真、歯科所見などがパソコンで管理され、生前の歯科治療痕のX線写真等もデータベース化されているため、歯による身元判明率はほぼ100%だ。

 一方、日本では生前の歯科データベースが構築されておらず、歯科法医学者と呼ばれる専門家の数も極めて少ない。そのため、歯による身元判明率はわずか十%にとどまっており、専門家らはかねてから警鐘を鳴らし続けてきたのだ。
 国は一刻も早く、歯による個人識別の重要性に目を向け、身元不明者を出さない死因究明システムを整備すべきだろう。
  <柳原三佳・ジャーナリスト>

**********************************************
 
以下は、本日の読売新聞記事です。

◆進まぬ遺体の身元確認、釜石市は土葬の準備 読売新聞 3月21日(月)12時31分配信

 東日本巨大地震発生から10日目を迎えた被災地で、多数の遺体の扱いに自治体が苦悩する中、岩手県釜石市は、25日から土葬に踏み切ることを決めた。

 一方で、遺族感情に配慮し、身元確認ができない中での土葬に慎重な自治体もある。

 岩手県警によると、20日夕の時点で、県内で収容された2583遺体のうち、身元が判明して家族などに引き渡されたのは103体。身元が確認できそうな遺体は数百体に上るが、家族が行方不明などで引き渡しが進んでいないのが現状だ。

 釜石市では、市内3か所の安置所に計508体が収容されているが、多くは身元確認のめどが立っておらず、時間の経過とともに腐敗も進んできた。市は「身元確認の見込みが小さい遺体や腐敗の激しい遺体は土葬にせざるを得ない」として、市内に埋葬予定地を確保。職員の1人は「埋葬してからでは身元確認が難しくなる。心当たりのある家族は早く安置所に足を運んでほしい」と呼びかける。

 一方、同県大槌町は20日、安置所の遺体について、少なくとも今月いっぱいは身元確認を続ける方針を明らかにした。

 津波で壊滅的被害を受けた山田町では20日午前の時点で、中学校体育館など3か所の遺体安置所で379体を収容。ドライアイスの不足が深刻だ。「水も不足し、遺体の泥もぬぐってやれない」と担当職員は嘆く。県内の遺体安置所は20日夕の時点で9市町村の計24か所。県警は16日から、身元が判明しそうにない遺体でも、所持品などで推測した氏名の公表を始めた。

 遺体が傷み始めているため、今後収容される遺体は身元確認がより困難になるとみられ、警察庁幹部は「今後はDNA鑑定や歯型による特定が必要になる」と話す。 .最終更新:3月21日(月)12時31分

  1. 2011/03/21(月) 16:03:28|
  2. 柳原三佳の執筆記事

プロフィール

柳原三佳

Author:柳原三佳
<ジャーナリスト・ノンフィクション作家>
交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演活動を行う。「週刊朝日」などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながったことも。2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。著書に「家族のもとへ、あなたを帰す ~東日本大震災 歯科医師たちの身元究明」「遺品~あなたを失った代わりに」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」「交通事故被害者は二度泣かされる」「自動車保険の落とし穴」「死因究明~葬られた真実」「焼かれる前に語れ」「交通事故鑑定人」「示談交渉人裏ファイル」「裁判官を信じるな」など多数。」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」は、NHKでドキュメンタリードラマ化された。「実父を医療過誤で亡くし、自らも医療過誤被害を受けた経験があり、現在は医療問題にも精力的に取り組んでいる。千葉県在住。自宅の裏庭に、「古民家(長屋門)」を移築し、スローライフも楽しんでいる。
■柳原三佳のHP http://www.mika-y.com/

最近の記事

カテゴリー

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。