柳原三佳のブログ

交通事故・死因究明問題などを追及する柳原三佳からの情報発信。あるときはジャーナリスト、あるときはノンフィクション作家、でも、1日の大半はお料理と芝刈りが大好きな「主婦」してま~す!

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

『巻子の言霊』を読んで……被害者家族からのメール

6月26日に行われた「交通事故被害者家族ネットワーク」の設立集会には、遠方からも被害者のご家族が参加されました。
 昨日、そのお一人から下記のメールをいただきました。
 山形県酒田市にお住まいの、渡部富也さんです。
 私は早速、このメールを『巻子の言霊』の主人公である、富山の松尾さんご夫妻にお送りしました。
 松尾さんのご主人からは、早速、「今日巻子に読んで聴かせました。ありがとうございました」というメールが届きました。
 山形と富山……、遠く離れたそれぞれの場所で、懸命に闘っている被害者とご家族がいらっしゃるのだということを感じました。
 渡部さんの息子さんの事故については、今年1月、『河北新報』で取り上げられたそうです。
 その記事も合わせて、ご紹介します。
 渡部さん、温かいメールをありがとうございました。

***************************************
 
柳原三佳様

 家族ネットワーク設立記念会お疲れ様でした。
『巻子の言霊』は、昨年発売と共に購入し読みました。
 突然に起きる事故、私の息子も4年2カ月前に交通事故に遭い遷延性意識障害になりました。
 事故日から今日まで理不尽さに苛まれそれでも前向きにやってきました。
 ちょうど去年の今頃裁判所より和解案が提示される時期でした。
『巻子の言霊』は、途中涙しながらも一気に読み終え、命の値段の章には感慨漑深いものがありました。加害者に対する何とも言えない思い、裁判所には一度も顔を出さない。「加害者天国日本」、まさしくこの言葉がぴったりです。

 終章の桜に「巻子が生きている今はそれだけで幸せなんです」と締めくくっています。
 松尾さんがこの本で一番伝えたいことはこの言葉ではないでしょうか?
 愛する人が不自由な体になってもお互いが支え合っています。
 私も息子が事故に遭い手術中の時はとにかく命だけは助かってほしいの一念でした。
 今は問いかけるとうなずくまでになりました。
 生きている……それだけで幸せです。

****************************************

(4)寄る辺<下>/新天地で「在宅」決意 

 昨年11月末の午後。仙台市太白区の東北療護センターを訪ねると、酒田市の渡部拓哉さん(19)が車椅子でテラスを散歩しようとしていた。両親の富也さん(48)と真美子さん(45)も一緒だ。
 真美子さんがジャージーを着せようとすると、拓哉さんは手をバタバタさせて嫌がった。好きなアニメ「ドラゴンボール」のチラシを渡されても放り投げ、「あー」と声を上げた。

 拓哉さんは高校1年だった2007年5月、自転車で帰宅途中に乗用車にはねられた。その日の朝は、今にも雨が降りそうな曇り空だった。
 雨がっぱを持たせ、「気をつけて行ってこい」と学校に送り出した富也さんに、拓哉さんは背中越しに軽く手を挙げて応えた。次に息子を見たのは、救急車のストレッチャーの上で身動き一つしない姿だった。

<生活支援が中心>
 リハビリのかいあって、拓哉さんは左の腕と脚が動くようになった。遷延(せんえん)性意識障害と呼ばれる状態の範囲は広い。動きや発声が全くない人もいれば、ある程度回復した拓哉さんのような人もいる。
 身長179センチの拓哉さんは力も強い。富也さんは「ベッドの柵を縛っておかないと、持ち上げて落としてしまうんです」と明かし、拓哉さんの爪で手や腕、顔にできたひっかき傷を見せた。「意思を伝えられないのがもどかしくて、暴れるんでしょうね」
 看護師たちはどう対応しているのか。看護師長の早川洋子さん(44)は「力に対して力、ではこちらも胸が痛む。『大丈夫、怖くないんだよ』と声をかけながら接してしています」と話す。
 東北療護センターの看護師は、センターに隣接する広南病院から派遣されている。独立行政法人自動車事故対策機構から運営を委託されていて、原則的に1人の患者を入院から退院まで2、3人のチームで受け持つ。
 センターに来るまで、看護師たちは病気やけがをして間もない患者に接している。治療というより、患者の生活支援が中心となるセンターの仕事に戸惑う人もいる。
 その気持ちも分かる早川さんは「センターではじっくり患者に向き合い、変化をつぶさに感じられる。やりがいは大きい」と考えている。

<入院期間に制限>
 療護センターの入院期間は原則的に3年間。拓哉さんも、遅くとも今秋には退院しなければならない。全国に4カ所のみで期間にも制限のあるセンターは、一時的な「避難場所」にすぎない。
 「拓哉君みたいな人は酒田にいません」。在宅介護の相談をした渡部さん夫婦に、酒田市の病院職員はこう言って突き放した。地元では医療や介護の選択肢があまりに少ない。住み慣れた土地を離れ、仙台市に引っ越す決断をした。
 仙台で通院リハビリが可能な病院が見つかり、在宅介護する決心もついた。病院に近い泉区内に土地を得て、住宅の新築工事が昨年末に始まった。長女が大学受験を迎える来春までは富也さんが長女と酒田にとどまり、真美子さんと拓哉さんが仙台で暮らす。
 仙台に親しい知人はいない。二重生活に当然、不安はある。
 「最初は大変だろうけど、拓哉にとって大事なのはこれからだから」
 「寄る辺」を離れる一家。真美子さんは、祈りにも似た回復への期待を抱きながら在宅での生活を始める。

(2011/01/12
http://blog.kahoku.co.jp/inochi/2011/01/post-14.html
  1. 2011/07/01(金) 18:45:48|
  2. ミカの日記

プロフィール

柳原三佳

Author:柳原三佳
<ジャーナリスト・ノンフィクション作家>
交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演活動を行う。「週刊朝日」などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながったことも。2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。著書に「家族のもとへ、あなたを帰す ~東日本大震災 歯科医師たちの身元究明」「遺品~あなたを失った代わりに」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」「交通事故被害者は二度泣かされる」「自動車保険の落とし穴」「死因究明~葬られた真実」「焼かれる前に語れ」「交通事故鑑定人」「示談交渉人裏ファイル」「裁判官を信じるな」など多数。」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」は、NHKでドキュメンタリードラマ化された。「実父を医療過誤で亡くし、自らも医療過誤被害を受けた経験があり、現在は医療問題にも精力的に取り組んでいる。千葉県在住。自宅の裏庭に、「古民家(長屋門)」を移築し、スローライフも楽しんでいる。
■柳原三佳のHP http://www.mika-y.com/

最近の記事

カテゴリー

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。