柳原三佳のブログ

交通事故・死因究明問題などを追及する柳原三佳からの情報発信。あるときはジャーナリスト、あるときはノンフィクション作家、でも、1日の大半はお料理と芝刈りが大好きな「主婦」してま~す!

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『サンデー毎日』(2012.9.30号)に『家族のもとへ、あなたを帰す』の書評が掲載されました

大震災の犠牲者を家族のもとへ
身元確認に奮闘した歯科医たち
(サンデー毎日書評 2012、09・30)

 死者1万5870人、行方不明者2814人(警察庁9月12日発表)に上った東日本大震災。震災から1年半が経過した今も、身元が確認されないまま引き取り手を待つ遺体(遺骨)は200体を超える。
 津波に襲われ、がれきなどで損傷した遺体の場合、身内ですら特定が難しいケースもあるという。

 そうした状況下、身元の決め手となるのが「歯」である。
『家族のもとへ、あなたを帰す』(柳原三佳著、WAVE出版=税込み1680円)は、文字通り各地から手弁当で被災地に赴き、死者の身元確認作業にあたった歯科医師たちの証言集だ。
 震災直後から被災地入りし、混乱と無秩序の中で黙々と遺体の歯型をチェックしていく歯科医の言葉は生々しく、そして重い。

 水素爆発を起こした福島第-原発周辺で、正確な情報が入らないまま仕事を続けた歯科医たちもいる。原発からの距離を考え、彼らは年齢順に"線引き"して担当地区を決めたという。

「責任のない"責任感"のある人たちに(身元の確認作業は)支えられた」(出羽厚二・岩手医大教授、同書から) 

医師と異なり、検視関連法規に歯科医の権限は定められていない。このため、「歯を調べるために遺体の口を切開すると、死体損壊罪に問われるのではないか」などの不安が現場の歯科医からは漏れたという。

 今年6月に成立した死因や身元特定に関する新法で、初めて歯科医の立ち会いが明文化されたが、実務上はまだ十分とは言い難い。
 作業にあたった歯科医たちはこぞって「生前の歯科カルテやレントゲン写真の保存、データベース化の必要性を痛感した」という。生前の情報がなければ、死後の特徴と照合できないからである。

 当たり前と思われるかもしれないが、その当然のことができていないのが日本の現状なのだ。無名の「遺体番号○○○○」が名前を取り戻さない限り、家族に真の平穏は訪れない。地道な作業は今も続く。
  1. 2012/09/27(木) 14:35:48|
  2. ミカの日記

プロフィール

柳原三佳

Author:柳原三佳
<ジャーナリスト・ノンフィクション作家>
交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演活動を行う。「週刊朝日」などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながったことも。2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。著書に「家族のもとへ、あなたを帰す ~東日本大震災 歯科医師たちの身元究明」「遺品~あなたを失った代わりに」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」「交通事故被害者は二度泣かされる」「自動車保険の落とし穴」「死因究明~葬られた真実」「焼かれる前に語れ」「交通事故鑑定人」「示談交渉人裏ファイル」「裁判官を信じるな」など多数。」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」は、NHKでドキュメンタリードラマ化された。「実父を医療過誤で亡くし、自らも医療過誤被害を受けた経験があり、現在は医療問題にも精力的に取り組んでいる。千葉県在住。自宅の裏庭に、「古民家(長屋門)」を移築し、スローライフも楽しんでいる。
■柳原三佳のHP http://www.mika-y.com/

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