柳原三佳のブログ

交通事故・死因究明問題などを追及する柳原三佳からの情報発信。あるときはジャーナリスト、あるときはノンフィクション作家、でも、1日の大半はお料理と芝刈りが大好きな「主婦」してま~す!

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「冤罪ファイル」11月号

さわやかな秋風が吹く中、我が家の古民家移築プロジェクトは着々と進んでいます。
 こんな感じで、長屋門の屋根の形が浮かび上がってきましたよ!
 今日は屋根に断熱材を入れながら、さらに作業が進んでいます。
P1100433.jpg
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 さて、柳原三佳の執筆記事のお知らせです。
 今週発売の「冤罪ファイル」11月号に、下記の記事が掲載されています。
 信じられないような酷い事件です。
 みなさま、ぜひ読んでみてくださいね。

<シリーズ・交通裁判>

善意の目撃通報者が一転、死亡事故の「被疑者」に?

事故から2年8カ月、無罪判決を勝ち取った男性が、事実を捻じ曲げる警察・検察に怒りの告発


取材・文/柳原三佳(ジャーナリスト)

(リード)
5月14日、横浜地裁で自動車運転過失致死罪に問われていた男性に、無罪判決が言い渡された。事故当日は通報目撃者として捜査に協力していた男性が、なぜ、半年後に被疑者扱いされ、起訴されたのか----。そこには、証拠を無視し、計算結果をも捏造する、にわかに信じがたい交通捜査の現実があった。
  1. 2011/10/01(土) 14:38:01|
  2. 柳原三佳の執筆記事

『週刊金曜日』(3/18号)に記事執筆

 東日本巨大地震発生から10日目を迎えた被災地で、岩手県釜石市は、25日から身元不明の遺体についても土葬に踏み切ることを決めたそうです。
 被災地には全国各地から法医学者の方々や歯科法医学者の方々が駆けつけ、余震の続く中、現地の検視官らとともに懸命に検視・検案作業にあたってくださっています。
 ◆ある法医学者のブログ

 しかし、あまりにも死者数が多く、すべての方々の身元を特定することはできないのが現状です。
 先週の金曜日に発売された『週刊金曜日』に、私は以下の記事を書きました。
 今回のような大規模災害は、まさに想定外かもしれませんが、災害の多い日本としてはこうしたシステムを整備することが大切だと思います。

 遅れるデータベース化
 身元確認システム構築急務

 (「週刊金曜日」(3/18号)

 三月十一日、東北地方で発生した巨大地震。現地の警察は、少なくとも万単位で死者が出る模様だと発表した。遺体の収容は遅々として進まず、震災から三日後の正午時点で検視を終えた遺体は一六四七体、そのうち遺族に引き取られた遺体は約百五十体のみで、大半は身元不明のままだという。

 こうした状況の中、厚労省は十四日、墓地埋葬法に基づく許可証がなくても弾力的に遺体の埋葬を認める方針を決定。中野寛成国家公安委員長は会見で「歯型やDNA型などを保存し、後々検証できるようにする」と話した。
法医学の専門家によると、水死体や焼死体など損傷の激しい遺体の個人識別には、歯科データ(治療痕など)の照合が有効だという。歯は人の体の組織の中でもっとも硬く、腐乱したり白骨化しても長く残るからだ。しかし今回は、津波や火災で、自宅だけでなく歯科医院も消失している可能性が高く、被害者の身元確認には困難を極めることが予想される。

 ちなみに、二月十二日にニュージーランドで起こった地震では、一カ月経ってようやく十一人目の身元が確認された。諸外国では歯型やDNA型から科学的に個人識別を行うため、時間はかかるが身元不明のままで終わることはまずない。オーストラリアのビクトリア州で大規模な山火事が発生し、二百人以上が焼死したときも、人間か動物かの見分けがつかない焼死体を全て法医学研究所に運んで解剖を行い、最終的には法医学者と歯科の専門家が被害者全員の身元を特定したという。同州では、解剖結果や口腔写真、歯科所見などがパソコンで管理され、生前の歯科治療痕のX線写真等もデータベース化されているため、歯による身元判明率はほぼ100%だ。

 一方、日本では生前の歯科データベースが構築されておらず、歯科法医学者と呼ばれる専門家の数も極めて少ない。そのため、歯による身元判明率はわずか十%にとどまっており、専門家らはかねてから警鐘を鳴らし続けてきたのだ。
 国は一刻も早く、歯による個人識別の重要性に目を向け、身元不明者を出さない死因究明システムを整備すべきだろう。
  <柳原三佳・ジャーナリスト>

**********************************************
 
以下は、本日の読売新聞記事です。

◆進まぬ遺体の身元確認、釜石市は土葬の準備 読売新聞 3月21日(月)12時31分配信

 東日本巨大地震発生から10日目を迎えた被災地で、多数の遺体の扱いに自治体が苦悩する中、岩手県釜石市は、25日から土葬に踏み切ることを決めた。

 一方で、遺族感情に配慮し、身元確認ができない中での土葬に慎重な自治体もある。

 岩手県警によると、20日夕の時点で、県内で収容された2583遺体のうち、身元が判明して家族などに引き渡されたのは103体。身元が確認できそうな遺体は数百体に上るが、家族が行方不明などで引き渡しが進んでいないのが現状だ。

 釜石市では、市内3か所の安置所に計508体が収容されているが、多くは身元確認のめどが立っておらず、時間の経過とともに腐敗も進んできた。市は「身元確認の見込みが小さい遺体や腐敗の激しい遺体は土葬にせざるを得ない」として、市内に埋葬予定地を確保。職員の1人は「埋葬してからでは身元確認が難しくなる。心当たりのある家族は早く安置所に足を運んでほしい」と呼びかける。

 一方、同県大槌町は20日、安置所の遺体について、少なくとも今月いっぱいは身元確認を続ける方針を明らかにした。

 津波で壊滅的被害を受けた山田町では20日午前の時点で、中学校体育館など3か所の遺体安置所で379体を収容。ドライアイスの不足が深刻だ。「水も不足し、遺体の泥もぬぐってやれない」と担当職員は嘆く。県内の遺体安置所は20日夕の時点で9市町村の計24か所。県警は16日から、身元が判明しそうにない遺体でも、所持品などで推測した氏名の公表を始めた。

 遺体が傷み始めているため、今後収容される遺体は身元確認がより困難になるとみられ、警察庁幹部は「今後はDNA鑑定や歯型による特定が必要になる」と話す。 .最終更新:3月21日(月)12時31分

  1. 2011/03/21(月) 16:03:28|
  2. 柳原三佳の執筆記事

今週の『週刊文春』(2010.11.4号)に、高知白バイ事件調書ねつ造疑惑を書きました

 本日発売の『週刊文春』に、高知白バイ事件の調書ねつ造疑惑について書いた記事が掲載されています。
 新聞広告に一番大きな見出しで出ていたのでびっくり! 
 いや、でもこの事件はそれくらい大きな問題なのだと思います。こうした扱いにしてくださった週刊文春の編集部には感謝です。
 今週は、『週刊朝日』でも、同じく検察に杜撰な捜査をされた交通事故遺族の訴えを書きました。
 死人に口なし的な処理をされ、亡くなった方の名誉が傷つけられているケースが山のようにある一方、何らかの理由で一方の当事者を守るため、真実を捻じ曲げてでも『罪人』を作り上げようとする捜査機関の現実は、取材していて本当に恐ろしいと感じました。
 特に、高知白バイ事件の場合は、白バイと衝突したスクールバスの中に、22人の生徒と、3名の引率者が乗っていました。
 警察や検察は、なぜこの人たちの証言を、全員から、正確に聴取しなかったのでしょうか?
 記事を読んでいただければわかりますが、検察はたった2名の生徒の供述調書しか作成していません。しかも、バス運転手の片岡さんを起訴した後に……。
 しかし、起訴した後に話を聞いてどうなるのでしょう?
 再審請求を担当されている弁護士さんもこの件については記事の中で厳しく指摘されていますが、さらに、生徒たちが供述した内容そのものが異なっているとなれば、いったい何を信じればよいのでしょうか。

 私はこの事件においては、白バイ隊員のご遺族も大変な二次被害、三次被害を負った被害者だと思っています。
 幼い子供さんを残して、一家の主が命を失うということが、家族にとってどれほどの苦しみであるか……。
 それは、今週の『週刊朝日』の中でも書いたとおりです。
 こうした報道が出るたびに、ご遺族がどれほど心を痛めておられるかと思うと、辛くなるのも事実ですが、それだけに、警察や検察には、誠実に対応していただきたいと願うばかりです。 

  実は、あのときバスの乗っていた中学生たちは、私の娘と同い年です。
 この事件を知ったときから、私も生徒たちの『保護者』のような感覚で、推移を見守ってきた部分もあります。
 バスに乗っていた少年は、私にこう語ってくれました。

「事故までは警察官や検察官は絶対に信じられると思っていましたが、あの事故以来、警察官を見ると、”くそっ”と思ってしまうんです……」

 こんな思いを彼らが引きずってよいはずがありません。
 再審請求の中で、真実を明らかにし、子供たちに与えた不信感や心の傷を取り除かなければなりません。
 
 限られた行数の中では、カットせざるを得ない原稿も多々ありました。
 ここでその部分を追記しておきたいと思います。

******************************************

 私はこの事件を〇七年三月から取材し続けてきた。
 そのよりどころとなったのは、バスに乗っていた当時の中学生たちが、素直なまなざしで語ってくれた数々の証言だった。

「衝突のとき、バスは間違いなく止まっていました」

「急ブレーキのショックはまったくなく、荷物が座席から落ちることもありませんでした」

「ハルさんに手錠がかけられたとき、何も悪いことしてないのになぜ……? と泣きだす子がいました」
 
 
 当時の彼らは未成年だったこともあり、検察への不信感を記事化することはあえて控えてきた。
 しかし、今年成人になる彼らは、今回、勇気を出して名前を出し、私の取材に真摯な態度で応じてくれた。

 先日、検察トップは、大阪地検特捜部の証拠改ざん事件に絡んだ謝罪会見で、「前代未聞」という言葉を使った。が、本当にそうだろうか。善意の捜査協力者、しかも少年を相手にした調書ねつ造疑惑は、検察という組織の存在意義を根底から覆しかねない異常事態と言えるだろう。
 再審請求が起こされた今、高知地検は、掛水君と井上さんの調書の原本を開示し、まずは彼らの疑念に真正面から答えるべきだ。

 これから再審に臨む片岡さんは、こう語った。

「あのときバスに乗っていた二十二人の子供たち、彼らが嘘つきと言われないためにも、私はこのまま死ぬわけにはいかんのです。最後まで闘うつもりです」

101104[1]
■『週刊文春』(2010.11.04号)
■片岡さんのブログ「雑草魂」
  1. 2010/10/28(木) 11:47:22|
  2. 柳原三佳の執筆記事
  3. | コメント:22

今週の「週刊朝日」(2010.11.5号)に検察問題を執筆しました

 今週発売の『週刊朝日』に、以下の記事を執筆しました。
 交通事故における初動捜査のずさんさについては、これまでも数多くの記事を書いてきましたが、検察の捜査(捜査、ともいえないかも……)に不満を持っている方も相当多いのが現実です。
 今回の記事では、これまでにも何度か取り上げた、東京の「鈴村事件」、愛知の「阿部事件」、広島の「亥下事件」を紹介しながら、情報開示の必要性を訴えました。
 みなさん、ぜひ読んでみてくださいね!
 
●『週刊朝日』(2010.11.5号)

<交通事故でも続出>
検察の証拠改ざん、ずさんな取扱い
色が変わって戻ってきた、証拠のフロッピー

(リード)
検事が証拠のフロッピーを改ざんした事件を「やっぱり」という思いで見る人たちがいる。
証拠のフロッピーを紛失されたり、証拠を改ざんされた疑惑があったり、ずさんな事件処理をされたり……。
検察官のひどい対応に苦しめられている交通事故の被害者たちは数多い。
ジャーナリスト・柳原三佳


**********************************************

 以下は、以前ブログでも紹介した、阿部さんのお母様からいただいたメールです。

阿部浩次さん
(故・阿部浩次さん。自動車関連のエンジニアで、モトクロスの有能な選手でもありました)

 この度、息子の事故で、悩みぬいた末に、柳原さんにすがる思いで相談させて頂き「ミスターバイク」に掲載させて頂き、皆さんに事故の概要を知って頂く事が出来まして本当に嬉しく思います。

又、柳原さんのホームページの中で、署名活動をさせて頂き、大勢の方々に署名して頂き、一万六千二百七十四筆もの署名を頂きました。本当に有難うございました。

 2001年10月16日に、事故。豊田警察での「信号は確かに青」の説明。その後の検察庁の「不起訴」決定。
 悲しみの中、頭の中は混乱しました。
 しかし、大学教授、友人、後輩から、「阿部はとても厳しい人だった。僕は百回ぐらい叱られた。阿部には絶対非はない。事故を起こす事は考えられないし,事故に巻き込まれる事も考えられない。相手が阿部のすぐ直前に出て来なければ、少しの余裕があれば阿部だったらかわせる。」と、教授を始め多くの友人から嘆願書を頂きました。
 又、浩次の遺品からは愛知県警から「表彰状」 安全運転センターから「無事故無違反の証」が出てきました。

 不起訴決定後、仕事を抜け出し弁護士さん捜しをした。
 しかし、不起訴の通知を見ると「豊田は遠いから・・。僕は病気持ちだから・・・今とても忙しく出来ない。」とか言われ何人もの弁護士さんに断られました。
 不起訴になった事件には、弁護士さんは冷たい・・・・・と強く感じました。
 今まで何人もの弁護士さんを渡りあるいたでしょう。
 しかし、刑事不起訴、民亊は敗訴となりました。

 どうしても納得出来なく、最高検察庁に岡崎支部の不起訴決定の根拠は何か・・、検事は事実と異なる説明をしたのは何故か・・・
 被疑者は始めは信号の事は言っていないのに、「始めから赤だと言った」と説明・・・・。
 目撃者は、赤信号で信号待ちをしていた時事故が起きた。それから加害者の行動全てを見てから青に気がついた。と言っているのに、「事故が起きてすぐ信号を見たら青だった。」との説明・・・・。

 私が何回も不起訴の理由は何ですかと尋ねると、あの節は本当に申し訳御座いません。この事故は難しく判らないとなっています。ただ、被疑者が赤になったから出たと言っていましたので・・・。しかし、不起訴理由は「赤信号で進入,スピード71キロ」になっていた。

 検事は、全く根拠が無いまま,加害者の供述にもとずいて決定しているのではないか。
 又、名古屋高検では、検事か「信号は青ですね。」とはっきり言っているの「不服申立に理由はない。」何故だ。どうしても納得出来ない。

 私は、高検に出す前に岡崎支部に相談、資料を見てもらう様、強引に置いてきた。
 この時検事は「私達は、被疑者有利に検討します。」と言われた。しかし、数日経って検事から電話があり、
「私達は、上司と相談した結果、高検から指示が出ればすぐ再捜査します。時効が近いのですぐ高検に出して下さい。今すぐ電話だけでもして下さい。」
 と、その後も緊迫した電話やり取りの中で、起訴を確信している様に私には伝わってきました。
 しかし、高検では、再捜査の指示も、目撃者の実況見分も行わず「不服申立に理由はない」で終わってしまった。

 私は、これらの事柄についての回答をどうしても欲しいのです。

 皆さん、検察庁のした事について、どの様に思われますか。
 率直なご意見を頂き、検察庁に提出したいと思っております。
 私は息子を信じています。このままでは終わらせたくないのです。
 どうか、多くの皆さんからご意見を頂けます様、御願い申し上げます。

( その他、保険会社の事など、まだまだ聞いて頂きたい事沢山ありますが、書ききれません。)

                                                  阿部 智恵
  1. 2010/10/25(月) 15:44:22|
  2. 柳原三佳の執筆記事

今週の「東洋経済」(32010.10.23号)で、保険特集

 今週発売の「東洋経済」(2010.10.23号)は、保険の大特集です。
 その中に「保険金払い渋りの実態~余命を短く見積もり、その分しか払わない」というページがあります。
 記事の中では、『巻子の言霊』(講談社)で取材させていただいた、富山の松尾さん夫妻が取り上げられ、私・柳原三佳のコメントも掲載されています。
 損保の払い渋りで悔しい思いをされている方、ぜひお読みになって見てください。

 そんな中、『巻子の言霊』を読んでくださった方から。下記のような感想文が届きました。
 この方も、巻子さんと同じく不可抗力の交通事故に遭い、足を切断するという大変なけがを負われました。
 被害者の苦しみが伝わってきます。
 Nさん、感想文をありがとうございました。

*********************************************

●「巻子の言霊」読ませていただきました。

 私自身が障害者になる前、テレビ等でいろんな映像を見るたびに、「かわいそうに」とか「辛いだろう」とか「頑張れ」などと、わかったような顔をして、家族で話していました。障害者になってどのくらいのときが経過したときでしょう。それは、うわべだけのことだったことに気づかされました。本当に、理解しようという気持ちは微塵も無かったのです。そのきっかけとなった言葉は、家内の一言でした。「辛いでしょう。辛いのはわかる。でもどのくらい辛いのか、私にはわからない。」それまで何かにつけ、愚痴を言っていた私です。「疲れた。」だの、「辛い。」だの、聞かされる人もたまったものではなかったのです。家内もどれだけ辛かったことか。それ以来、「疲れた。」だの、「辛い。」だの言わないようになりました。
 障害者となってわかったことは、「誰も私の辛さがわからない。」そして、「人の辛さは私にはわからない。」ということです。やはり経験した本人にしかわからない。

 健常なときとは違い、少しは理解しているつもりです。しかし、巻子さんご本人のつらさ、ご主人のつらさ、御家族のつらさを計り知ることはできません。私よりも格段に、辛く、悔しいことだけはわかります。適切な言葉かどうかわかりませんが、頑張ってください。

『巻子の言霊』の中で共感したところ、全くそうだと思うところを書かせていただきます。

●加害者の弁護士、正確に言えば加害者が加入していた損害保険会社の顧問弁護士が好き勝手なこと、非人道的なことを発言する。
 現在裁判中の私ですが、全く同感です。民事訴訟手続では、日常生活・日常会話とは違った訴訟手続独特のルールが存在し、言葉の意味も、訴訟手続独特のものがある。加害者の単なる代理人である弁護士の発言は、加害者の発言とはイコールではないという。人の心を持たない怪物であるように感じます。

●加害者は無制限に加入しているから、加害者が思う保証が可能だと感じていること。
 私の加害者も無制限に加入しているということ、私が過大な要求をしているとは思えない。要求通り支払う必要があるということを言われましたが、損保会社が支払いを拒否しているだけ。被害者を救済することが出来るという大前提で、保険が存在しているにもかかわらず、損保会社は、一円も払わないという姿勢。やっぱりおかしいと感じるのは私だけではないことと思う。損保会社や弁護士が表へ顔を出したら、当事者間での和解案は意味を成さないらしい。そんなことを知らない加害者と被害者は、第三者の損保会社が波風立たないように話を進めてくれると思っている。これが、最大の問題点かもしれません。

●裁判制度の問題、アメリカでは認められるけれど日本では認められない。
 私はかろうじて死なずにすんだ。何かをしようとするとき健常時の3倍近くのエネルギーを使い、3倍以上の時間が必要となる。平均寿命を生きたとしても、健常時の1/3の事柄しか出来ない。残りの2/3を返して欲しい。そう訴えようとしたが、日本の法律では全く相手にされない、訴訟にならないという。人間はただ働いて、食事して寝るだけではない。8時間働き、8時間眠り、残りの8時間を自分のため家族のために有意義に使う。これがあるから、頑張れることに間違いないはずなのに、このことには損保会社の人間も納得する。しかし、残りの8時間を返せと言っても、法律が返してくれない。法律からするとお話にならない屁理屈になってしまう。弱者を向いていない法律。何もかもが弱肉強食の世界なのか。
 どこかのホームページで読んだ言葉だけれど、まさに「加害者王国ニッポン」だと感じる。

●自分の今の状況をどうやって断ち切るのか、どうしたら断ち切れるのか、どう癒すのか。
 時間経過は、被害者の心の負担を和らげることは無い。むしろ、辛さ、無念さを重ねているだけ。反面加害者は、時間に経過が罪の意識を薄らげる。痛くも痒くもないのである。私は、自分の犯した不法行為を忘れては困るという思いから、たびたび訪問するように依頼した。定期的ではないが、何度か訪問を受けた。顔を合わせるたびに、加害者が何をどう考えているか知るところではないが、被害者を忘れてもらっては困る。

 自分に全く非が無く、何が原因で今があるのかわからない。この理不尽さ。なんと表現したらいいのか、私も未だに許容することが出来ない。被害者には苦悩だけが残り、加害者は何事も無かったかのように今まで通りの生活を続けている。続けることが出来る。この無念さは、いつまでもなくなることはない。
 訴訟で一応の終結という形を作るけれど、お金ではない。謝罪でもない。
元に戻りさえすれば、何もいらない。しかし、かなわない。どう、決着をつけたらいいのか、先の見えないトンネルにいることだけは間違いない。被害者は、救われることは無い。いつまでも引きずっていられないことは理解できるのだが、・・・。
  1. 2010/10/20(水) 22:21:39|
  2. 柳原三佳の執筆記事
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プロフィール

柳原三佳

Author:柳原三佳
<ジャーナリスト・ノンフィクション作家>
交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演活動を行う。「週刊朝日」などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながったことも。2004年からは死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。著書に「家族のもとへ、あなたを帰す ~東日本大震災 歯科医師たちの身元究明」「遺品~あなたを失った代わりに」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」「交通事故被害者は二度泣かされる」「自動車保険の落とし穴」「死因究明~葬られた真実」「焼かれる前に語れ」「交通事故鑑定人」「示談交渉人裏ファイル」「裁判官を信じるな」など多数。」「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」は、NHKでドキュメンタリードラマ化された。「実父を医療過誤で亡くし、自らも医療過誤被害を受けた経験があり、現在は医療問題にも精力的に取り組んでいる。千葉県在住。自宅の裏庭に、「古民家(長屋門)」を移築し、スローライフも楽しんでいる。
■柳原三佳のHP http://www.mika-y.com/

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